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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■「オスカードリーム」という名の悪夢
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 破綻した大阪市の土地信託事業と言えばフェスゲ(フェスティバルゲート)が有名だが、それ以外にも同様の施設はいくつもある。地下鉄住之江公園駅と言えば競艇場に近いためにボートレース開催時には賑わう場所だが、その近くにオスカードリ−ムと呼ばれる地上19階の商業施設が存在する。オープンしたのは1995年3月だからもう10年以上になるわけだ。市バスの住之江車庫用地を有効利用して地域の活性化に役立てるという名目で開発されたのである。1階にはバスターミナルと店舗、そして物販店や飲食店が入居する低層階と住之江阪神ホテルが入居する高層階があった。そのホテルも赤字を理由に2005年に撤退してしまったため、施設の主たる家賃収入も途絶えてしまい、テナントも入居率5割を割ってガラガラ、今やゴーストタウンである。

 さて、この事業が失敗した原因はどこにあるのだろうか。いや、そもそも土地信託事業というのは一体何だろうか。市が所有する財産を貸し出せばそれが家賃と税収入を生み出す玉手箱に勝手に化けるのだろうか。手持ちの資産を活用してさらなる富を生み出す魔法の装置が手にはいると大阪市は安易に思っていたのだろうか。そのほとんどが失敗に終わり、もともと借金まみれの大阪市の財政にさらにとどめを刺していることをどれだけ理解してるのだろうか。幸いオレは大阪市民ではなく一人の傍観者なので、大阪市が夕張市に次いで破産自治体として名を挙げることを心待ちにする無責任な野次馬でしかない。

 みずほ信託銀行側の予想した総事業費225億に対して配当263億、市税収入69億という甘い数字をそのまま信じ込んで事業をスタートさせた大阪市の不見識ぶりを笑い飛ばすのがこの暴言コラムの趣旨だが、同時にオレはみずほ信託銀行側の責任も追及したいと思っている。さて、オレが気になるのは事業が赤字になって破綻したときにどっちが責任を取るという取り決めだったのか。つまり失敗したらどうなるかと言うことを先に決めておかなかったのかということなのだ。

 大阪市はいつになったらこの配当というゼニがもらえるのかと楽しみにしてきた。いっぽうみずほ信託は配当を出すどころかいっこうに黒字にならないこのクソ施設のためにさらにゼニを出してきた。みずほ側はそれを「立替金」と呼び、本来大阪府が払わないといけないゼニを変わりに立て替えてるのだと主張し、一方大阪府は、その施設が赤字でにっちもさっちもいかないことを知ってるのに「約束の配当金はいつ払うのか」と要求し、両者がついに決裂してこのような事態に立ち至ったのである。

【2006年12月25日】 日経ネット関西版より〜
大阪市土地信託「オスカードリーム」処理、民事調停申し立て──みずほ信託銀(12月25日)
 大阪市の土地信託事業で275億円の負債を抱える商業ビル「オスカードリーム」(住之江区)の処理問題で、信託先のみずほ信託銀行は25日までに、負債額全額の弁済などを市に求める民事調停を大阪地裁に申し立てた。市側も受け取りが予定されていた配当額約36億円の支払いを求め、年明けにも調停を申し立てる方針。双方の対立は法廷に持ち込まれることになった。
 オスカードリームはみずほ信託銀が1991年3月から30年間の契約で受託。当初計画では、市は30年間で計263億円の信託配当を受け取る予定だったが、これまで1度も支払われていない。建設や運営に伴う借入金は既に275億円に膨らんでいる。

 みずほ信託は大阪市に275億円を払えといい、大阪市は配当36億円を払えと言う。どちらの主張に正当性があるのだろうか。市バスの車庫跡地という広い土地で一儲けを企んだ大阪市と、そこに「だったらうちが金儲けをお手伝いしましょう」としゃしゃり出たみずほ信託。結果は無惨な大赤字。この場合どっちに負担させるべきなのかだが、みずほが余計な手出しをせず、どこも「そんな辺境の地はあきまへんわ」と拒否してればこんなことにはならなかったのである。少なくともみずほ信託側は、それだけのゼニを出して開発してうまくいけば配当金を支払っても利益を生み出せると思ってコンペに応じたはずだ。


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12月27日(水)
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