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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■産経新聞の低レベルなコラムにびっくり!
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 産経新聞といえば「安い」ことが取り柄である。ワンコインで買える新聞ということで購読している方もいるはずだ。しかし、安いこと=中味が下らないことであってはならないわけで、安くてもちゃんとした内容だから評価されるのが本来の新聞の姿である。しかし、このひどいコラムはなんだ。こんな情けない内容のコラムを読まされればオレは一言言う「カネ返せ!」と。

 かつてオレもある商業誌にコラムを書いていたことがある。一週間に一本だったがその一本のためにかなりの時間を費やしていた。そのときにはいつも「単なる思いこみで書かない」「必ず複数の資料に当たって情報の出所を明らかにする」などである。文章でゼニをもらう以上、守るべき仁義があると思ったからである。その点、今の暴言コラムは気の向くままに暴言を書き散らしてるだけなのでかなり気が楽である。うっかり間違えたことを書いて読者に指摘を受けても、ちゃんと謝罪して訂正を入れれば済む話である。さて、その産経新聞のひどいコラムとはこれだ。

【コラム・断】給食費という高い税金
 給食費の滞納や支払い拒否事例が問題となっている。確かに悪質なケースもあろう。だがマスコミ世論に追従するなら小欄の存在意義はない。先日、住民票の交付料をぼったくりと評した。たかが300円の話と思われた読者もいるだろうが、再び異議を申し立てたい。
 今回も具体例で語ろう。以下は都内A区立Z小学校の実例。学年により多少違うが5年生の場合、給食費が年間5万820円。その他、教材費として1万5000円が、修学旅行などの積立金として1万6500円が徴収される(中学になれば、さらに増える)。
 以上に2500円のPTA会費と520円の引き落とし手数料を合計すると年額8万5000円を超える。これに扶養子弟の人数分が乗じる。わが家の場合、こどもが3人。合計額は勤務先大学の年俸1割を超え、家計を圧迫する。恥ずかしい話だが、長男の修学旅行は断念した。正直、重税感を否めない。少子化は必然であろう。
 給食献立に選択の自由はない。宗教上の禁忌や健康食材に拘(こだわ)る家庭の意向も無視される。なぜ画一的な食事を強制されるのか。刑務所ではあるまいし。いや、刑務所なら食事は無料である。
 刑務所が言い過ぎなら、諸外国はどうか。海外では弁当が主流である。欧米では無料給食や、帰宅させ昼食を取らせる学校も少なくない。一部希望者だけが有料の給食を利用する。
 なぜ給食でなく弁当では駄目なのか。関係組合が反対するからか。日本だけが類例のない制度を続けている。強制的に献立を押し付け、実費を取り立てる。いわば義務給食。どう考えても、美しい制度ではない。(評論家・潮匡人)

 この記事を書いた潮匡人さんという方はウィキペディア(Wikipedia)で調べると、軍事ジャーナリストで帝京大学短期大学助教授、防衛庁広報誌「日本の風」編集長とある。軍事ジャーナリストがなぜ給食の問題について触れるのかと不思議に思うのだが、コストを無視してゼニを潤沢に使える軍事と、決められたコストの中でいかにおいしく安いものを提供しなければならないかに悩む給食とは全く違ったジャンルであり、そういう意味でもこの潮氏は給食の問題を語らせるにはあまり適切な人選ではないとオレは思うのである。


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12月08日(金)
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