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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■震災の日から9年〜誰が復興を阻んだか?
9年前の1月17日の朝、オレは突き上げるような激しい揺れに目を覚ました。揺れがおさまってからオレはすぐにテレビのスイッチを入れた。自分が今までの人生で一度も体験したことのない激しい揺れだった。その瞬間に失われていた多くの命のことを思うと胸が締め付けられる。そして幸運にも助かった人々にもまた別の苦しみが待っていた。誰もが自分につながる家族や友人の誰かを失っていたからである。自分は無事だったのにどうして・・・その思いは今も多くの人の胸に痛みの記憶となって残るのである。
もっとも被害が甚大だった神戸市長田区、新長田駅南地区の再開発を神戸市は復興事業の象徴と位置づけ、総事業費2711億円、20.1ヘクタールに中高層ビル40棟を建設するという壮大な計画を立てた。施工面積は全国の再開発事業で五番目の規模だ。中層・高層のビルをたくさん建て、その莫大な建設費は床面積の増えた部分を分譲するという方法で調達しようとしたのである。土地の買収に500億かけても、そこが2000億で売れれば十分に採算はとれると見込んだわけだ。ゼネコンと不動産業者と腐れ役人がお互いに利益を山分けしようとして日本の地方都市の美しい町並みを次々と破壊していった駅前再開発の手法がここでも同様に用いられただけのことである。
その街で生まれ育ち、街を愛したはずの多くの人々は補償という名のカネと引き換えに権利を手放し二度と戻って来なかった。工場主たちは億単位の補償を手にして神戸を離れ他の土地に工場を再建した。職場を失った人々も同様に街を捨てた。無秩序だが活気と生活感のあった街は、空き家だらけの無機質なコンクリートのただの箱と化してしまったのだ。自治体主導の再開発などしょせんこんなものである。腐れ役人の頭には高層化によって得られた空間をゼニに換えるという発想しかなく、土地を坪単価で値踏みすることしかできなかった。
なぜ人々から土地を奪ったのか。市は住民が自分たちの土地にそのまま住み続けるための支援だけを行えばよかったのである。市が商業用に売却しようとした予定地1万6000uのうち、実際に売れたのは54 u(わずか0.3%)だけ、現在の入居者の99%は賃貸契約である。こうした復興事業の失敗で巨額の借金を抱え、その上に性懲りもなく空港まで借金で建設しようとしている日本一の馬鹿自治体神戸市、その暴走の末の破滅をオレはどこか楽しみにしているのである。自治体の倒産なんてそうそう見られるものじゃないからなあ。もしかしてその負債は市民が頭割りで払うのかい?オレはそんな市の住民じゃなくてよかったとつくづく思うぜ。
01月18日(日)
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