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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■小学生を今よりもっと馬鹿にする方法
たとえば「小中学生がPS2やWii、ニンテンドウDSなどのゲーム機で遊ぶことを全面禁止する」という法律を制定して違反者から罰金を取り立てるならば、かなり劇的な効果が上がるだろう。しかしそんなことは絶対にできない。ゲーム業界は今や自動車に代わる日本の基幹産業であり、その業界からの反発は必至である。しかも自民党はゲーム業界からも政治献金を受け取ってるからそんな方向に動くわけがない。
携帯電話を規制することは一定の効果は確かに上がるだろう。子どもたちが携帯をいじってる時間は相当長い。そのために奪われている時間が少しでも学習時間に取り戻せるならば効果はあるはずだ。「有害情報の被害に遭うことを防止する」なんて言わずに「携帯ばかりで遊ぶな!」とはっきり言えばいいじゃないか。もっとも本音はそこにあるのかも知れないが。
小中学生は昔よりも馬鹿になった。これは事実である。これを「ゆとり教育」のせいにする方もいるし、もちろんその影響もかなりあると思うが、オレはやはり元凶はゲームや携帯だと思っている。子どもたちが熱中するものがある以上、勉強よりもそちらに走るのは当然のことだ。それに輪を掛けてるのが小学校での学級崩壊、授業崩壊の現状だと思っている。英語教育のような学力格差のはっきりするものを取り入れたら、その崩壊が加速するとオレは思ってるし、それ以上に主要科目の学習時間の減少で学力低下が起きるだろう。今の小学生のお馬鹿ぶりを思えばオレは国語や算数、社会、理科の学習時間こそ増やすべきだと思っている。英語をやると言うことは他の科目の学習時間がそれだけ減ってしまうのである。いったい何を減らすのか。
英会話中心の授業を小学校に導入したとして、それを中学校での英語学習にどうつなげるのか。語学として体系的に学ぶことと、日常生活の会話を教えることとはオレはかなり別物だと思っている。もちろん両者は最終的には融合するわけだが、オレは前者重視の日本の英語教育は決して間違ってなかったと思うのである。オレが20年前に長期の海外放浪を行ったときにベースになったのは受験勉強で身につけた英語力だった。中学高校で受験勉強した蓄積があったから、テレビやラジオを使った数ヶ月の特訓でかなり実際に役立つ語学力が身に付いたわけだ。
上記答申には英語教師の能力の問題も含まれていて、TOEICの点数なんかも採用の条件にされるわけだがふざけるなと言いたい。英語の能力のある人が英語教師になるわけではなく、英語教師よりももっといい収入の道があるからそっちに行ってしまうのである。公立学校の教師の待遇なんて悪くなるばかりだ。それよりも、ちゃんと能力を正当に評価する世界に、よりすぐれた人が流れるのは当然である。
国際化の時代であっても誰もが英語を必要とするわけではない。むしろこれから日本人が良く接するようになるのは韓国人や中国人だろう。国際交流という意味ではむしろ韓国語や中国語を学ぶ方が効果は上がる。もちろんそれは大学生以降のことであり、小学校でその必要はない。もっともオレの息子たちが通った小学校には中国から来ている方が多くて、運動会には中国語のアナウンスも流れていたが。
ここでオレがいくら罵倒したところで小学校での英語教育導入という流れは変えられないのだろう。その結果もっと小学生が馬鹿になったという事実に愕然とするのはさらに10年、20年先である。そのころの日本がいったいどんな暗黒時代を迎えているのか。オレには予想もつかない。
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05月27日(火)
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