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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■それは自殺という名のテロである!
 避難先の体育館では、消防署員らが治療の優先順位を決める「トリアージ」を約150人に対して実施した。このうち、「のどが痛い」「気分が悪い」など具体的な体の不調を訴えたのは、15人程度だったという。
 南側の棟に住む妊娠4カ月の女性(22)は避難の知らせに気づかなかった。家族3人で一夜を明かしてしまい、朝になって周囲の異常に気づいて避難所に駆け込んだ。「昨夜は午前0時から1時ごろにかけて、変なにおいがしていた。おなかの子に影響があるのではと思ったけど、『毒素は体に蓄積しない』と説明を受けた」と安心した表情。
 のどの痛みを感じて家族4人で近くの病院に行った男性(30)は、そのまま病院で一夜を明かした。「とにかく疲れた。全然眠れなかった」とぐったりしていた。
 硫化水素を使った自殺では、家族や周囲が助けようとして巻き込まれる例が後を絶たないが、これほど多数の住民が被害を訴えたのは極めて異例。地元消防本部は、避難の際に市営住宅の住人が狭い範囲に集まり、有毒ガスを吸ったのが一因とみている。
 高知県警などによると、現場の市営住宅は2棟が約20メートル離れて建っており、23日夜は小雨が降って弱い北風が吹いていたという。
 取材に応じた住人の大半は、室内ではわずかに異臭を感じた程度だったと証言した。その後、救急車やパトカーが駆けつけ、現場に近い1階付近に多くの住民が集まった。間もなく近くの体育館に避難したが、その際、「気分が悪い」と訴える人が相次いだという。
 高濃度の硫化水素は数回吸っただけで、失神して死亡するほど毒性が強いとされる。現場の浴室に換気扇はなく、ドアと窓を閉めれば密閉状態になるといい、ドアを開けたことで空気より比重が重い硫化水素が下へ流れ出した可能性がある。香南市消防本部の山崎良満次長は「現場の下に人が集まってしまい、多くの人が硫化水素を吸ったのではないか」とみる。
 現場には「毒ガス発生中」と注意を促す張り紙があった。硫化水素自殺の方法を紹介するインターネット掲示板には、こうした張り紙をすることが二次被害防止のための「マナー」と記されており、過去の同種自殺でも同じ趣旨の紙が張られるケースが目立つ。毒物に詳しい吉田武美・昭和大教授は「張り紙を見つけても一般人は近づいてはならない。助けようとして人工呼吸などをしたら、たちまち被害を被る。防護マスクなど装備の整った救急隊員に任せるしかない」と話している。

 自殺には流行がある。飛び降り自殺の名所にはやはり死ぬためにやってくる人が後を絶たないし、報道された自殺の手法をみんながマネする傾向が高い。そういうわけで今硫化水素自殺が頻発してるのである。自殺する方の中にはドアにちゃんと「毒ガス発生中、危険」張り紙して亡くなる方も居て、そこまで落ち着いて準備できるのならなぜ死を思いとどまらないのかとオレは不思議に思うのである。

 「まぜたら危険」な家庭用洗剤をまぜてどんな反応で硫化水素が発生するのか。ネット上にはその解説が多く出回っているという。試しにウィキペディアで硫化水素を引いてみたらその急性毒性について詳しく記述されていて、1,000〜2,000 ppmの濃度で「即死」とあったのにはびっくりした。そんなに危険なものなのか。

 大量の硫化水素を発生させる行為は、自分が自殺するだけではなくて周辺住民に対して大きな被害をもたらす。単純な自殺ではなく、悲惨な「自殺テロ」となって被害が拡大する可能性があるのだ。自殺者はそこまでの迷惑を考えてるのか。いや、自殺目的ではなくてテロ目的でこの発生を起こすようなクソ野郎が今後発生しないと言えるのか。少なくとも原材料はホームセンターなどで簡単に購入できるのである。そして確実な殺傷力があるのだ。

 この世には多くの自殺したい人がいる。ここで硫化水素を規制したところでその方たちは他の方法を探すだけであり、自殺そのものの抑止力には決してならない。かといって現状を放置するわけにもいかない。家庭用洗剤と目張り用のテープなどをホームセンターで同時に購入する客がいたら、それを尾行して検挙するしかないのだろうか。


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04月25日(金)
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