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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■あれから13年〜阪神大震災が奪ったもの
阪神大震災はいったい何を奪ったのだろう。あの地震で一瞬にして家族を失い、ひとりぼっちになった大勢の人たちがいた。復興住宅で暮らしながら孤独死を迎えた多くの老人がいた。2007年度にそうして孤独死を迎えたお年寄りは約60名にのぼる。誰にも看取られずに死後数日経ってから発見されるのである。自分を最後に看取ってくれるはずの家族を震災で失い、それから12年の日々を孤独の中で生き、最後は誰にも看取られずにこの世を去ったのである。あの震災が多くの人々の幸福を奪ったことは間違いない。そこでオレは考えるのだ。人間にとってもっとも大切なモノはそれは家族の絆であり、震災の悲劇というのはそれが一瞬にして奪われたことで起きたのだと。
震災復興に名を借りた地上げを行い、大規模開発で土建屋と土地転がしの連中を豊かにした一方で市の借金を増やした神戸市の幹部や市長の罪は誰が追求するのか。放置すれば退職金をたんまりもらって彼らは去っていく。まさに盗人に追いゼニである。しかし、彼らの犯罪を告発するには多くの障壁がある。立証することが困難な部分が多すぎるのである。結果として借金は増え、結果として無機質な街が完成した。そこにはもはや旧住民の息づかいは聞こえない。映画「ALWAYS 三丁目の夕日 」で描かれたような庶民の日常生活が震災前の神戸にも確かに存在した。その破壊を物理的に発生させたのは震災だが、とどめを刺して完膚無きまでに破壊し尽くしたのは神戸市であるとオレは確信する。その破壊はきわめて合法的にかつ巧妙に行われたために、誰もその罪を問われないし、誰も告発を受けることもない。犯罪の痕跡すら残っていない。だが失われたモノは確実にあるのだ。それはもう二度と元には戻らないのである。
01月17日(木)
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