ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■20XX年、東証が滅びる日
急騰。丸紅と資本・業務提携について3時に会見と報じられている。TOB期待な
どを背景に、短期資金の思惑物色の動きへ。(FISCO)

 TOBによって株価が暴騰することを期待した投資家たちは我先にと買い注文を出し、ムトウの株価は一時ストップ高の612円をつけた。なぜか上方修正のニュースも流れた。今思えばそれらすべてが個人投資家をはめ込むために仕組まれた罠だったのだ。飛びついた投資家たちはみな、肝心の情報を忘れていたのである。つまり、TOBされるとしたら価格はいくらであるかということだ。その企業に高い成長性があってどうしても欲しいという場合には高く買われる訳だが、必ずしもそうであるとは限らない。自力再建が難しいので創業者一族が会社を投げ出して大資本(大和ハウス)に拾ってもらおうとしたエネサーブ(6519)のような場合もある。エネサーブの場合のTOB価格はその時の時価603円に対してわずか61%に過ぎない368円だったのである。

 混乱を回避するために東証は一時的にムトウ株の取引を停止した。確実な報道があるまで取引は中断され、ヤフーの掲示板ではムトウ株を買っていたホルダーたちが狂喜乱舞して勝利宣言していたのである。

次にながされたのはこんなニュースだった。

ムトウが午後2時40分まで売買停止――丸紅に第三者割当増資、筆頭株主に
 ムトウが午後2時40分まで一時売買停止。同社はきょう16日午後2時10分、第三者割当増資による210万株の新株式発行を発表、丸紅が筆頭株主になると発表した。この発表により、ムトウは一時売買停止となっている。
 株価は一時100円ストップ高の612円まで買われていた。
[ 株式新聞ニュース/KABDAS−EXPRESS ]
                  提供:(株)株式新聞社 (2007-03-16 14:24)

 2時40分を過ぎて取引が再開されると、現在の株価に対して安すぎる470円という新株の発行価格を嫌気して投げ売りが出て、結局売り気配のまま寄りつかずに引けたのである。ニュースに飛びついてムトウ株を買った投資家たちは天国から地獄へ突き落とされた。一瞬の歓喜は直後に落胆に変わった。彼らのどこに落ち度があるのだろうか。投資は自己責任だという。しかしこれは悪質な投資家に対する「はめ込み」であり、詐欺行為であるとは言えないだろうか。報道後の一瞬の上昇を見越して株を売却し、しかも空売りを仕掛けていたインサーダーたちが多数存在したことは、その日の信用取り組みを見ても明らかである。なぜ東証はこの連中に対して証券取引法違反の容疑で調査を行わないのか。その中に政治家などが含まれてるからタッチしないのか。あまりにも疑惑の根は深い。来週になればムトウ株はどれほど下げるだろうか。おそらく増資価格である470円まで一気に下落していくだろう。

今回の事例でオレが許せないのは、発表されたムトウ株に関する二つのニュースの時間差である。TOBやそれに類する企業価値を高めるようなニュースを先に出して個人投資家にしっかりと買わせておき、ほどよく株価が上昇したところで今度はマイナスの材料をわざと報道したのである。たちまち暴落するが、タイミングを分かっている側は巨利を得ることが可能だ。てめえら、なんて汚いんだ。どうしてこんな不公正がまかり通るんだ。可哀想なのは報道の中味を十分に理解できずに「TOB」の連想だけで飛びついてきた参加者である。


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03月17日(土)
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