ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4379011hit]
■高校総体奈良大会準々決勝 奈良育英−一条 奈良学園−五條(5月21日)
奈良2強と言えば奈良育英と一条である。近年第2集団も力をつけ、今では必ずしも2強とは言えなくなってきたが、それでも最も注目を集めるカードなのは間違いない。そしてこの両校はかなり似たタイプのサッカーをする。試合運びも上手い。勝つサッカーをよくわかっている。一条はここ数年3トップを採用し攻撃的になってきたが、基本両者4−4−2でよく走り、バックラインを高めにサイドバックは守備的で、コンパクトに保ちサイド攻撃をサイドハーフが担う。ミラーゲームになるので、個々の踏ん張り、執念がカギになる。
高校総体奈良大会準々決勝
奈良育英−一条
5月21日 13時 五條市上野公園 人工芝 晴
奈良育英 一条
−−−十六−−十番−−− −−−−−十一−−−−−
−−−−−八番−−−−− 十八−−−十番−−−八番
十一−−−三番−−−九番 −−−六番−−七番−−−
六番−二番−−四番−五番 四番−二番−−五番−三番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
基本両者今年も4−4−2だと思うが、奈良育英は3番がフォアリベロとしてさがってきて、バックラインの援軍になり、8番もトップ下というわけではなく、バックラインに入らないボランチ。一条はドイスボランチがフリーになれるので両サイドが上がっているだけで、本来4−4−2だと思う。10番はFWの位置から下がってくる。
開始早々奈良育英8番の右CKを右足で入れファーでヘッド、キャッチ。立ち上がりから両者猛烈な運動量。70分ゲームとは言え、真夏日の中オーバーペースにも見える。自分のペースに持ち込もうとする綱引きであるが、どちらも緩めない。奈良育英は10番が屈強で身体能力が高い。一条はCBの5番とレフティー2番がキックが正確でロングフィードがあるが、奈良育英2トップが懸命にプレスを掛け続けるのでロングフィードをなかなか繰り出せない。ただし奈良育英2トップの負担は相当なものだろう。Jリーグでも可変システムの広島や浦和は攻撃時に2CBになるが、相手はプレスを掛け続けることは不可能だ。70分ゲームとは言えどれだけ鍛えられているのかという凄みを感じる。13分、奈良育英10番、左70度30mミドルを叩き込む。スーパーゴール。一条は引いた10番を誰が捕まえるか明確でなかったとはいえ、想定外のシュートだった。奈良育英はCBの組み立てはイマイチだが、GKのキックがよく、一条のフォアチェックに対し、GKに戻してサイドに起点を作ろうとする。激しいプレス合戦が続く中、22分、奈良育英9番がゴール前に現れスルーパスを受けるがオフサイド。統率では奈良県随一の一条ならではのバックラインのコントロールだった。26分、奈良育英8番のスルーパス、16番右クロスはラインを割りゴールキック。27分、奈良育英10番ポストプレーからターンシュートはバー。28分、奈良育英4番→17番。ケガでは無い。6番がCBに回り17番は左サイドバックに。奈良育英は猛烈な運動量を維持するために負担をチーム全体で分散させる意図だと思われる。2トップが一条CB陣にプレスを掛け続ける分、バックラインも猛烈な押上げを要求され、負担が激しかった。30分、一条、右CKをヘッドは上に外れる。34分、一条、裏を取った10番シュートは上に外れる。37分、一条11番左クロス、7番潰れて9番詰めるが届かず。決定機。前半は1−0で終了。
前半シュート数3(2)対2(0)、CK数1対2、GK数2対4、オフサイド数2対0、クロス数5対4、ファウル数6対1、FKなし。互角で、しかもスタミナ問題から後半どうなるか全く読めない。両者一向にテンポを緩めず、お互いにこの相手には一瞬の隙も見せられない、という気迫を感じる。テンポを落とす選手もいないし、ハイペースで行けるところまで行って先に力尽きた方が負けるパターンだ。
[5]続きを読む
05月23日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る