ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
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■雑文・01年度高校女子選手権出場チームの印象
前日に引き続き高校女子選手権関連の文を置いておきます。
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01年度高校女子選手権出場チームの印象
●北海道文教大明清(北海道代表)
10年連続10回目 通算2勝
大会初期は同好会色の強いチームだったが、徐々に力をつけて現在では全国大会の名に恥じないレベルに達している。過去3年間の結果は1−2神村、2−7聖和、0−4湘南。97年度3冠東福岡が全国大会で何度も5点差ゲームを演じたことを踏まえると、聖和・湘南相手の5点差は悪くないスコアといっていいだろう。技術的にはある程度のレベルにあり、パスを繋いだサッカーを志向しているようだ。U−15北海道選抜は必ず全国大会に出場できるが、その元メンバーは9人を数え、中学生年代での全国大会経験者数は大会トップクラス。今後もう少しふえるのではないか。ややマークがルーズで当たりも甘いが北海道内に同年代のライバルがいない影響と思われる。道内の現状からすると今後大幅なレベルアップは厳しいかもしれない。
●常盤木学園(宮城・東北第一代表)
4年連続4回目 通算1勝
残念ながらこれまで観たことはない。過去3年間の結果は0−3神村、0−2藤枝西、
1−5湘南。スコア的には既に全国レベルに達している、と予想していた。今大会は県大会決勝・東北大会決勝でともに聖和を破り、全国大会でも湘南にPK負け、と全国トップクラスの実力をうかがわせる結果を残す。元U−15宮城選抜も聖和を上回る実に14人で、積極的な選手集めをしているのだろう。監督の阿部先生は地域C級ライセンス所持。ブライアン・マッコーリ・コーチが単なる英語教師ではなく、ある程度サッカーの知識のある方とすれば学校側の強化も随分力の入ったものだ。同じ県内に聖和という強敵が存在するだけに今後も切磋琢磨して力をつけていくだろう。(*1)
●聖和学園(宮城・東北第二代表)
10年連続10回目 優勝3回
この大会を引っ張る存在。高い技術を土台としたパスサッカーが持ち味。個々の選手がじつにのびのびプレーしており創造性豊かなプレーをみせる。個人戦術は大会随一と言っても過言ではない。技術系のサッカーを好む人間にとっては最も魅力的なチーム。北海道同様試合相手に事欠く環境のもとでこれ程のレベルに達したこと自体驚異的ではあるが、さらに毎年着実に力をつけている。やや当たりに弱い部分はあるが県内のライバル、常盤木が急速に力をつけており、その存在により弱点もある程度解消されるのではないか。監督の国井先生はライセンス等を所持していないが、内容の濃いサッカーを展開しており、今後はU−19代表などの監督もしてほしいと個人的には思う。
●本庄第一(埼玉・関東第一代表)
2年連続7回目 優勝1回
組織化されたサイド攻撃とマンマークを徹底させた守備が特徴。チーム戦術が全員に浸透しており、練習時間のかなりの部分を割いている事が良く分かる。また局面での実戦的な強さは大会随一といえるだろう。レベルの高い関東・埼玉でもまれているだけあってギリギリの勝負での強さは見事。フィジカルもよく鍛えられている。ただ、技術的にも個人戦術面でも大会トップクラスから引き離されつつある。強豪で実績十分の割りには経験者が意外と少なく技術面での不利は否めないが、個人戦術の基本がイマイチなのはまずい。ポストに当ててサイドという攻撃もパターン化されているが、各選手がパターン以外の動きが不得手なことが多い。チームとして壁にぶつかっている印象がある。
●埼玉平成(埼玉・関東第二代表)
3年ぶり8回目 優勝2回
技術的には大会トップレベル。前を向けば個人の局面打開能力は高い。ただ周囲の把握・判断・ボールを受ける姿勢などが甘く、簡単に相手に囲まれ、パスも甘く個人が分断される傾向にある。ややサッカーが小さい。プレスのしっかりしたチーム相手だとつらいだろう。フィジカルはしっかりしている。個人の守備能力は高い。本庄同様に個人戦術面の遅れから大会トップクラスとの差が開きつつある。この部分が向上すればパスサッカーが実現できるようになるだろう。
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09月18日(木)
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