ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4383847hit]
■総理大臣杯1回戦 札幌大−桃山大 新潟大−流通経済大
新潟大は最終ラインからパスをつないで崩すスタイル。4バックはラインをこまめに上げ下げする。小寺(4年・京都西、170cm)と笹井(3年・東山、175cm)のCBは高さに欠ける部分を頭脳でカバー。技術は低いが自分を良く知っていて無難でミスのないCBコンビ。SHも中に入り組み立てに積極的に加わる。全国経験のある小澤(2年・松商学園)はCBの前で丹念に相手を潰す。武藤(4年・新潟江南)はレフティーでFK担当。CF佐山(1年・前橋育英)は確実なポスト・キープからのパス・シュートが光るエース。高校では2年時からサブとして全国経験もある。
2部ながら関東2位で出場の流経大は中盤・最終ラインともフラットで大きく押し上げる。中野監督はJ2水戸を指揮したキャリアを持つ。GK塩田(4年・水短・JFA特別指定選手)は身体能力が高く、声の良く出る選手。CB中村(4年・境、172cm)、木下(4年・熊本国府、175cm)は小柄な頭脳派。栗澤(3年・習志野・関東選抜)は技術が高く攻撃の軸。FK担当。左右両足でミドルパスが出せる。LH池田(4年・花咲徳栄)は左利きで足元で受けてからのプレーが持ち味。RH船山(1年・流経大柏)も両足が使える。FWはともに小柄。元Jリーグ神戸の難波(1年・栃木SC)は小柄ながら爆発的なスピードがある。
ゲームは最終ラインから丁寧にショートパスでつなぐ新潟大に流経大が運動量豊かにプレスを仕掛ける展開となった。新潟大はパスに練習の多くを割いているようで、ボールを受ける動きが巧みで全員のインサイドキックも正確なので簡単にボールをカットされない。また流経大のプレスもイマイチ連動していない。4分、流経大の右CK、栗澤からファー池田のヘッドはポスト直撃。10分、ロングボールを難波がヘッドで落とし箕輪ボレー。16分、流経大、正面20mFKも池田のキックはカベに当たる。21m流経大CKのこぼれを池田シュートもGK大嶋キャッチ。新潟大GK大嶋(4年・伊那北)のキックは不正確でゴールキックも怪しく、しばしばピンチにつながる。新潟大はボールキープ時間は五分以上だが崩す形がなく、決定機を作れない。佐山は人には強くない流経大CBから確実にキープしてパスを出せるが孤立気味。佐山のポストから村上が裏へ抜けるか、武藤のクロスから佐山のヘッドというのが新潟大の形だろう。流経大は俊足2トップがサイドに流れてスペースを作り生じたスペースをMFが使う形が多いが、新潟大のバランスは崩れず個人での打開が多い。28分、新潟大の巧みなパス回しから左の武藤へ、左クロスに村上が競り、こぼれを佐山シュートもDFブロック。直後のCKが神田(1年・新潟南)の前にこぼれるがバウンドのタイミングでシュートを躊躇し、膝の高さにボールが落ちたところで撃つが、DFのブロックが間に合う。42分、新潟大RB高地(3年・新潟江南)のパスミスが池田へ、高地を十分ひきつけてLB小沼(2年・湘南Y)へ、逆サイドに振り船山のよくコントロールされた左足ミドルが決まり、流経大が先制した。ロスタイムには流経大・箕輪(4年・作新学院)がGKと1対1となるがシュートをポストに当てる。結局0−1で前半終了。
後半は開始から流経大の猛攻となる。精神的に後手に回った新潟大はスローインを3度直接カットされ、動揺が誰の目にも明らかで、経験不足によるゲームズマンシップ不足を露呈する。完全に押し込んだ流経大は13分難波に代えて鯉渕(3年・水短、185cm)を入れ、空中戦でも圧倒的優位に立つ。意外と速さもある。なんとか耐えていた新潟大だが19分、船山が一人かわし中へ、栗澤が落ち着いて中央左につなぎ池田が30mロングシュート、DFの間をすり抜けるように決まり2点目。これで勝負あり。さらに攻め続ける流経大がとどめの3点目を決め、順当に勝利した。
新潟大は北信越王者として恥ずかしくないポゼッションサッカーを見せたが、後半相手にペースを握られたまま押し返せなかった。ゲーム運びが拙い。後半がっくりと落ちたスタミナも足りないが、精神的な部分が大きいのかもしれない。よく鍛えられた好チーム。ただ練習では上手いが、実戦に弱い印象を受けた。
[5]続きを読む
07月07日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る