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サッカー観戦日記
by T.K.
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■先週の結果
厳しい言い方になるが、五輪の男子は酷いものだった。形を一応作ってしまえばそれで終わりになってしまうのが、トレセンなどでもそうだが、未熟な指導者の悪いクセだ。叩き上げの指導者は、例え理論だった指導法など何一つ学んでいなくとも細かい部分を厳しく追求するもの。山本式3バックの動きはトルシエ式とウリ二つだが、ディテールの詰めはまるで甘かった。五輪本番での大量失点もやむを得ないというか、納得である。山本氏自身はどんな結果になろうともトルシエと異なり責任を追及されないだろうが。次回は(サテライトなどではなく)まともな、責任ある監督経験を持つ人物にお願いしたいもの。
女子のほうは、まずまず納得の内容である。私が今まで上田氏に対して不支持の姿勢を貫いているのは、やはりディテールの甘さが気になることと、女子の監督経験がまったくなく、メンタルコントロールなどチーム管理の不安が大きかったからである。実際W杯予選でのつまづき、本大会での甘さ(例えば以前ここでも書いたことだが、ドイツ戦のサイドのケアの甘さ、守備の甘さなどである)といった決して見落とせない失敗、少なくない犠牲はあったと思う。マカオ代表時代でもフットサルからA代表に至るまで、上田氏はそれなりの形を作ってそれなりにスコアをまとめて、それで終わりだった。しかしここにきて、厳しい守備を各自がこなすようになってきた。約束事を守り、頑張って走ってそれで終わりではなくなった。スウェーデン2トップに対するファウル連発、スレスレのプレーも以前なら考えられなかったことだ。もちろん、こんなことW杯前には出来ていなければならなかったのだが。女子はもともと経験を積んだ指導者自体が少ない。今の上田氏ならアテネ五輪後も続けてもらっても不満はない。ただ、本来なら海外から指導者を招くべきだと思う。ノルウェーから金メダル監督を招いたカナダ協会よりもJFAのほうが金はあるはずだ。フランクフルトの監督とか呼べないものだろうか?
なお結果については複雑な気持ちである。スウェーデンは本来勝ち目がない相手である。純粋にサッカーファンとしては、調整ミスを犯してしまい、しかも世界最強2トップの片割れがケガでさっぱりというスウェーデンは見たくなかった。ドリームチーム(もちろんバスケのだ。他の、世界では存在すら知られていないようなスポーツがドリームチームを名乗るのは冒涜的だ)が敗れてしまったが、仮にバスケ日本男子が出場し、全員腹を下しているアメリカを倒した場合、純粋なバスケファンなら喜べるだろうか?おそらく出場国中実力的にはメキシコを含め3弱である日本とナイジェリアの決戦?では内容的にも完敗だったし。もしスウェーデンの調子が普通だったら国内の論調はどうだったのだろう。シドニー金メダルのカメルーン男子同様、ナイジェリアはバックラインを極端に高く押し上げるスタイル。「上がりすぎず、下がりすぎず」ではなく、高ければ高いほどいい、裏を取られても30mあれば追いつくから、とでも言いたげである。ただ18歳の左CBがさっぱりで、上位陣相手には破綻するだろう。スウェーデンは日本・ナイジェリアと同じ組に入ったことで(本番の)決勝トーナメントに向けた調整をしながら勝つつもりが、予定が狂い、調整ピッチを早めているだろう。スウェーデン−ナイジェリアも楽しみ。なおアジア女王の中国はドイツに0−8で敗れたが、スウェーデンもベストなら、日本やナイジェリアを一瞬で葬り去る力はある。ぜひ好パフォーマンスを発揮してほしい。
08月16日(月)
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