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サッカー観戦日記
by T.K.
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■雑文・01年度高校女子選手権出場チームの印象
ほとんど毎年ベスト4まで勝ち進む強豪。元U−15兵庫選抜を揃え、Lリーグの下部組織出身者も多い。中で繋いでからサイドにふり、クロスという攻撃が以前なら面白いように決まっていたが、最近のレベルアップの中であまり繋げないようになってきた。ボールを受ける姿勢がよくなく、しっかりしたプレスをかけるチームにはやや弱い。大会トップクラス相手にはやや苦しくなってきた印象を受ける。タイプとしては埼玉平成と似ている。今後の課題も同じで、いかに持ち前の技術を相手プレスの中で活かせるようになるか、に尽きると思う。ただ同じ兵庫の日ノ本が力をつけているだけに、プレスを意識した動き方も身につけるのではないかと期待している。
●広島皆実(広島・中国代表)
3年ぶり5回目 最高ベスト4
経験者は少ないがよく鍛えられ、まとまっている好チーム。組織がしっかりしていて連携もスムーズであり、チーム戦術に練習時間の多くを割いていることがよくわかる。強豪相手でもそれなりに自分達のサッカーをして、落ち着いたスコアにまとめることが出来る。
個々の選手もサッカーの基本どおりの動きをみせ、C級ライセンスを持つ奥村先生の指導が行き届いていることが良く分かる。現状ではほぼ限界点までのレベルに達しているのではないか。今後の課題はチーム内で解消できるものはあまりないかもしれない。むしろ地元の中学生のレベルアップによってのみこのチームが一段上の段階に進めるはずだ。
●済美(愛媛・四国代表)
2年ぶり4回目 通算1勝
皆実同様に経験者は少ないが、しっかり鍛えられているチーム。チーム戦術は皆実ほど煮詰められていない。その分やや失点は多い。個々の選手の動きも皆実と同等のレベル。監督はC級ライセンスを持つ土屋先生。(*2)攻撃意欲の強いチームで、多彩な攻めを見せる。チーム戦術に時間を割いて練習すれば、もっと結果を残せるとは思うが、このあたりはポリシーであえて個人重視なのかもしれない。地元全体のレベルアップがこのチームの躍進の鍵になるだろう。
●神村学園(鹿児島・九州第一代表)
8年連続8回目 最高準優勝
経営方針によって女子スポーツを積極的に強化している学校であり、サッカー部も強化指定されているという。神村学園中サッカー部も強い。選手全員が経験者で、ほぼ毎年全日本女子ユース(U−15)に出場する元U−15鹿児島選抜も多い。男子の鹿実にも似たサッカーが特徴で、闘争心を前面に出して選手全員がよく走り、よく当たる。元々手ごろなライバルを持たなかったチームであるにもかかわらずマンマークもタイト。「選手の将来性」や「創造的なサッカーをする喜び」を強く意識するチームの多いこの大会にあって、厳しく結果を追及する神村は異質の存在であり、全体に好影響を与えている、といえるだろう。
実力的にはセカンドグループだが、最近ライバル鳳凰が力をつけ、神村に決定的に不足していた実戦的な強さを今後身につければステップアップするだろう。
●鳳凰(鹿児島・九州第二代表)
3年連続3回目 通算2勝
最近急速に力をつけているチーム。鹿児島大会決勝ではライバル神村を破っている。積極的にスカウティングを行い、1年生だけを比べると元U−15鹿児島選抜は神村1人に対し鳳凰は4人。このチームもよく走る、鹿実スタイル。柏野コーチは元鹿実のストッパー。
勝負に厳しくこだわるチームであり、神村と切磋琢磨することで大会トップクラスの力をつけることを期待する。
上の文章は01年度大会直後に書いたものに後日手を加えた
*1 02年度はサッカーマガジン杯グループリーグにおいて、この大会で優勝した清水第八(Lリーグ)と唯一引き分けた。さらに決勝トーナメントでもジェフ市原(Lリーグ)と引き分ける(PK負け)健闘をみせる。そして02年度高校女子選手権ではついに全国制覇を達成した。
*2 02年度より済美は共学化し、男子サッカー部監督となった土屋先生はその年度の新人戦優勝とすぐ結果を出し、03年度全国高校総体出場を果たした。
09月18日(木)
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