ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4382698hit]

■雑文・大阪フットボール映画祭2015感想
ユースウォッチャーとしていろいろ思うことがある。最近のサッカーファンはアジアを舐めていて、日本が勝てないと、日本の状況中心に問題を考え、単純に対戦相手が強いということを忘れがちだ。私の年代のサッカーファンなら、五輪予選でタイのピヤポンにハットトリックを喫して惨敗した試合を覚えているはずだ。もともと東南アジアはレベルが高いし、しかも近年は国が経済力をつけて、プロリーグも発展している。日本が東南アジアに対して強かったのは一時的なものなのかもしれないのだ。そして日本国内だけでも逸材はどこに眠っているか分からない。加藤久氏が強化委員長時代にナショナルトレセンなどのトレセン改革を行い、単なる選抜チームの試合とそのための練習会から、練習主体で世界基準の指導を日本の隅々まで徹底し、逆に日本の隅々からタレントを発掘する制度を作り上げた。制度としては問題ない。しかしそのことによって、情熱的に逸材を見つけるんだ、という熱さを失ったのではないか?近年個性派が減った代表を、育成が進んでいるというべきか?ラストの架空の試合。インドネシアはヤベズやラルといった冒頭から出てくる地方からの発掘組に加え、スター選手らの個性が噛み合って韓国を圧倒する。よくBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)とかVISTA(ヴェトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)といった経済新興国を表す言葉があるが、インドネシアは世界第4位の人口と、経済力を有した上にサッカーに熱狂的な国だ。強くなる条件は満たしている。協会が予算を割いてくれれば、と思う。
U−19インドネシア代表内でハンサムなのがレアルマドリード派で、そうでないのがバルセロナ派というのは分かる気がする(笑)。


『クラス・オブ・92』
マンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)のユースから92年にトップに昇格した6人組(ギグス、スコールズ、ベッカム、ガリー&フィリップ・ネヴィル兄弟、バット)がお互いに対するコメントを交えた硬派のドキュメント。サー・マット・バスビーはユース強化に力を入れて、いわゆるバスビー・ベイブスを育てた。同様にサー・アレックス・ファーガソンも育成に力を注ぎ、「ファギーズ・フレジリンクス(ファーガソンのひな鳥)」を育て上げた。インスやカンチェルスキスらが退団した年、ビッグネームを補強するかと思われたが、ファーガソンはユースからの昇格を選んだ。元々800万人いたマンチェスターの周辺人口にスカウトが2人しかいなかったのをすぐに増やし、マンチェスター以外からも逸材を集め、その逸材がライバル意識と仲間意識を共存させ、互いに高めあって成長していく。そして99年、ついにプレミアリーグ、FAカップ、チャンピオンズリーグの三冠を達成する。

身もふたもない率直なコメントが素晴らしい。特にスコールズが実は笑いのとれるキャラクターで、天才肌かつダーティな、サッカーさえしていればいいというところが笑った。ファーガソンは人生訓ばかり話していたそうだが、渡り鳥は編隊を組んでお互いに助け合って6400kmも飛ぶ。ベッカムがW杯でシメオネに愚かな報復をして退場になってイングランドが負けたため、国中からバッシングを受けたときも、クラブ全体で守るという姿勢は見事だった。JFAはアギーレ前代表監督を守る硬派な姿勢を少しでも見せただろうか?バットがシュマイケルにしたイタズラはあんまりだ(笑)。ひどい話なんだけど爆笑を誘った。


『メッシ』

[5]続きを読む

02月22日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る