ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
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■先週の結果  サッカーと無関係な雑文も
とはいえひっかかるものもある。エッジワース・カイパーベルト天体2000 CR105は推測される直径約400km、軌道長半径が228.4天文単位ながらその近日点は約44天文単位という極端な楕円軌道を持つ。このような軌道が自然発生するはずはなく、海王星の重力によって乱されたのであれば、近日点は海王星軌道(約30天文単位)の内側でなければならない。この謎は私の生きている間には解けないだろうと思う。ある仮説によると太陽から100天文単位くらい離れたところに火星程度の大きさをもつ未発見の惑星があれば、その重力による摂動を受けて2000 CR105が今のような軌道を持つことが説明できるそうだが、実際に発見できるとも思えない。(*4)ハッブル宇宙望遠鏡ならばこの程度の星なら捉えることも可能だが、地上の望遠鏡で発見されない限りハッブルをそのような目的に使用するはずもないのだ。

で、NASAが発表するという「惑星」セドナ(イヌイット神話から!つくづくアメリカ人は困ったちゃんが多い)は太陽から約70天文単位の軌道を持つという。仮説上の惑星よりも近い。2000 CR105を228.4天文単位の彼方にまで飛ばすことが可能なのか、仮に仮想上の惑星よりも質量が大きいのであれば、なぜトンボーや他の観測に掛からなかったのか。おそらく冥王星より多少大きい程度のショボイ天体を自己顕示欲に駆られたNASAが「世紀の大発見」ということにして「第10惑星」をアメリカ人が発見したという名誉をものにしたいのだろう、と思ってはいるのだが。(*5)

期待と興奮を鎮めるべく雑文を書いてしまった。文中アメリカ人を何回かこき下ろしているのだが、こと天文に関する限り軽蔑に値する行動をとる人が多い気がするので。これは私だけの意見ではない。別にアメリカ人一般だとか、アメリカ的な自己顕示欲の強さ自体が嫌いなわけではないのだが。

まあ全ては今晩深夜にも明らかになることだ。楽しみにして待つとしよう。


(23時40分追加)
CNNによると「惑星」の直径は約2000kmで冥王星以下である。畑違いとはいえ、学問に関わるものの端くれとして声を大にして叫びたい気分だ。



お前ら科学者として恥を知れ!

(16日23時20分追加)
幸い発見者自信が「惑星」とはいえないと主張している。CNNなど不勉強
なマスコミが騒いでいただけのようだ。セドナという命名に関するモラル
はともかく科学者としての恥は知っていたようでほっとした。とはいえ加工科大グループに関しては不満が多い。

新天体自体は確かに驚くべきものであった。近日点でも70天文単位、遠日点では太陽から900天文単位の彼方まで離れ、2000 CR105を抜いて太陽系最遠の天体となった。明るさから推測される直径約1700km、当然直径約400kmと推測される2000 CR105よりもはるかに巨大な質量を持つ。
巨大な天体が極度の楕円軌道を持つ。太陽系外の影響を受けたものがたまたま黄道近辺の軌道を持っている、という可能性を無視すれば太陽系最深部に真の第10惑星の存在を想像させる。(*6)まあ私が生きている間に発見することは出来ないとは思うが。

*1 トンボーを「未知なる天体の存在を予想する人々」の中にいれるのは
やや乱暴。未知の惑星探索のために雇われた当時トンボーはアマチュア天文家だった。
*2 ただし60天文距離に冥王星を仮に置いても「冥王星程度の天体」とはならない。冥王星はカイパーベルト天体としては異様に明るい。これは太陽に接近する際に表面が解けて新鮮な氷が露出するためだ。60天文単位を円軌道で公転するならば表面が黒くすすけて光の反射率は下がる。
*3 もちろん50000の誤り
*4 最近の技術の進歩によりこの程度の惑星ならまず間違いなく発見できるそうだ。
*5 「第10惑星発見」と伝えたのはCNN日本版のみ。本家CNNは
そのような報道はしてなかった。
*6 発見者は太陽系外からの影響を主張している。

03月15日(月)
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