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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■追憶【鳴門】
※実は意識的に、キャラの口調を原作従来のものとは違わせてあります。だからある程度読まないと、誰の独白かは分からないかも知れません。その辺を楽しんでいただけたら幸いかと。不親切ですが、家族に対する口調って、やっぱ特別なような気がしまして。
ちなみに ち☆ は単行本で原作を追ってます。ガイ先生がメインになってる巻ぐらいしか持ってませんが(多分全部はそろってないし☆)。WJは時々しか読めません。でも一応、単行本未収録なネタバレありますんで、注意!!
では、よかったらお楽しみください。
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やあ・・・父さん、久しぶり。
このところ全然来なかったこと、怒ってるかい? 親不孝者だ、って。
本当にゴメンな。
言い訳はしたくないけど、このところ忙しくって・・・ね。
その代わり、って言っちゃなんだけど、これからはずっと一緒にいられそうだよ。
穴埋めはするから、許して欲しいな。
この花もね、その辺で摘んできた野草だけど、なるべく綺麗なものを選んできたつもりなんだ。あんまり華やかじゃないのは、大目に見てよ。
本当ならいつもの、同僚の弟子の親が経営してる花屋で、いいのを買ってきたかったんだけど・・・状況が状況だから。
───ん? どんなに忙しかったんだ、って?
数年前だったら、任務、とか、弟子との修行、とかって答えてたんだろうな。
あれから木ノ葉も色々と、大変だったんだよ。父さんも知ってる、三代目火影様が亡くなってからは、特に。
火影様以外にも大勢、優秀な忍が殉職してしまったもんだから、上忍・下忍問わずフル出動する羽目になったんだ。木ノ葉の弱体化をよそに知られたらまずい、ってことで。
五代目火影様は、なかなか人使いの荒い人だよな。仕方ないことではあるけど。
無論、俺も大忙しだったよ。一応これでも、上忍だからね。
でも、この際だから自慢させてもらうと、俺の弟子が一人、同じ上忍になってね。時々一人で仕事を任せられるぐらいに、優秀なんだ。
まあ、元々天才、って呼ばれてるぐらいに有能ではあったんだけど、上忍になってからは特にそれが際立つようになった気がする。だから、彼とツーマンセルを組んだ時は、少し楽をさせてもらったかもしれないな。
実際、色々と助けてもらったよ。部下ながら、手厳しいところもあったけどね。
・・・うん、残念ながら、過去形なんだ。
もし彼がそっちに行って知り合いになったら、仲良くしてやってよ。
一発で俺の父さんだ、って分かるだろうから、ちょっとヒかれるかもしれないけどね。根は優しい、いい子だから。
他の2人の弟子もね、無事中忍になったよ。2人とも気の利く奴らで、俺の至らないところをうまくカバーしてくれている。
特に、男の方は、凄いよ。
今だから言えることだが、俺のアカデミー時代に負けないくらい『落ちこぼれ』だったんだ。今でも、忍術も幻術も使えない。まあ、水に浮くことぐらいは出来るけどね。
でもその代わり、木ノ葉でも屈指の体術のスペシャリストとして成長してくれた。ひょっとして長期戦になったら、俺以上に強いかもしれん。
もちろん、上司として、上忍として、そして人生の先輩として、まだまだ負けるわけにはいかないけどね。経験の差、と言う点では未だに俺の方に分があるよ。
───ん? 女の子の方かい?
なかなかに気立てが良くて、言うべきことはきちんと口にする。退くべきところは退くし。忍具の扱いは俺でも一目置くかもな。
何より、さっき言った上忍になった部下と、体術のスペシャリストの中忍との間に立って、潤滑油の役割をさりげなく引き受けてくれているんだ。
・・・うん、男同士よくあることではあるんだが、一時期ギスギスした関係だったからなあ、あいつら。
彼女のやり取りを見てると、男って奴は本当にガキなんだなあ、とつくづく思ったね。もちろん、俺も含めて、の話。
いい時代になったもんだよ。
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07月16日(水)
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