ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■過ぎし夢 来たる朝(1)外法帖・天戒×女主?
*えーと、スラムダ○クの「るあや」や、銀英伝のポプ○ン&ビッテ○フェルトものの続きをまっておられる方々へ。スミマセン、今某・ゲームをPLAY中のため、更新はおそらく早くても(汗)1ヶ月後になるかと思われます。何とぞご容赦下さい。
 で、今回の更新は・・・ここではなるべくUPすまい! と思っていた、某・ゲームこと東京魔人學園外法帖ネタであります。それも女主人公モノ・・・☆
 とりあえずここに何かをUPしておきたかったためもあります。そんなの見たかないや! とか、未PLAYでネタバレはイヤだ、と言う方は遠慮してくださいませ。
(注意:『外法帖』および東京魔人學園シリーズを知らない方へ。これはPSで発表されているゲームでありますが、女主人公と言うものは実はゲームでは存在しません。言って見れば女性ユーザーの煩悩のなれの果てで、ネット上ではかなりの数存在するものです。ウチのHOMEも何を隠そう、女主人公メインです☆)



↑の注意書きをお読みになりましたね? では、どうぞ!
ちなみにこの話は、公式HPでの「あったらよかった!こんなシーン」掲示板でちゃんちゃん☆ がした「フラッシュバック」案「の」元になっております。念のため。

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過ぎし夢 来たる朝(1)外法帖・天戒×女主?


 明け方に見る夢は、正夢になるという・・・。


「ん・・・?」

 真夜中だと言うのに、九角天戒はふとした気配に目を覚ました。

 敵襲の気配に布団を跳ね除けて飛び起きる事は、不本意ではあるがままある。ここは名を鬼哭村、と言う、徳川幕府に反旗を翻す人間達が隠れ住む村なのだから。
 そしてこの村の頭目である彼・天戒が駆けつけて、不埒な侵入者を斬って捨てる、ということも、致し方ない事だ。村人の不安を取り除いてやるためにも、それはせねばならないことである。
 だから彼はいつの間にか、眠りにつきながらも外の気配を探るすべを、身につけてしまっていた。

 だが・・・今宵の気配は違った。
 騒々しいものではない。むしろ、闇に紛れたささやかな気配。
 それも殺意や悪意を感じさせるものではなく、おまけにその気配は徐々に遠ざかって行くのだ。
 天戒はその、人目をはばかるように動く気配に、心当たりがあった。
「・・・・・」
 身支度を整え、念のために愛刀を腰に差すと、彼は人知れずそっと、屋敷を抜け出すことにした。

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 ドドドドド・・・。

 真夜中でも尽きることのない、大いなる水が流れ落ちる音。
 気配を追っていた天戒は、村の外れにある那智滝のそばまで来ていた。
 ここは昼間でも澄みわたった空気の場所だが、日も落ち、月の光だけが頼りのこの時刻はことさら、神々しいばかりの雰囲気を覚える。

 ───水の清濁は人の世にも似ている、と天戒は思った。

 新しい水が流れるからこそ、滝の水は冷たくはあるが澄んでいる。そして流れるからこそ、それは滝と呼ばれるのだ。
 だが冷たさを忌避し、水を清めることを怠った時から、それは滝ではなくなる。淀んだ水はいつしか腐臭まで漂わせ始め、水面からはその底を窺い知ることすらできなくなってしまう。
 そして、そこに住む生き物さえ汚(けが)れて行く・・・。

 人はどうして考えないのだろうか? 今の徳川幕府が治める世が、まさにそのものだと言うことを。

 ピチャン。


 物思いにふける天戒の耳に、静かな水音が届いたのはその時だった。
 彼でなければ聞き逃していただろう。それは滝の音ではなく、何かが水の中へ入って行くような、ささやかなものだったから。
 慌てて目を凝らしたところ、滝壷へ目掛けて1つの人影が泳いで行くのが見える。
 それは紛れもない、彼がずっと気配を追って来た人物のものだった。

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 ───名を緋勇龍斗、というその者は、男名でありながられっきとした女である。

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02月23日(土)
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