ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■Darling(1)SD・流×彩?
「ちょ、ちょっと待って。塚本先輩が辞めたって本気? どうして?」
ここで慌てて口を挟んだ彩子に、部員たちは何とも言えない複雑な表情で告げたのだった。
「・・・知らないよ。ただ、塚本さんが皆の前で言ったんだ。『理由は彩子たちに聞け』って」
(あんにゃろう・・・)
さっきの捨てゼリフはそう言うことだったのか。
蹴るだけでは飽き足らない。もう2、3発殴ってやれば良かった。
流川が心の中で塚本を罵倒する間も、騒動は一向に収まる気配がない。
「そ、そんな・・・」
さすがに彩子は真っ青になっている。それを見咎めたのだろう。男子部員が彼女に問いただしにかかる。
「心当たりがあるんだな、彩子? どう言う事なんだよ?」
「・・・それは・・・」
「そう言えば塚本、お前に惚れてたよな?まさかフッたんじゃないだろうな?」
「・・・・・・・・」
この場合、無言は肯定と受け取られる。真実ははかなり違う状況だったのだが。
皆がいっせいに彩子を非難する空気に勘づいて、流川は憮然として口を挟む。
「知らねー。昼寝してたら騒がしかったんで、蹴っ飛ばした」
「流川!?」
「蹴っ飛ばしたって、お前、塚本をか!?」
「どういうつもりだよ、1年坊のくせに!」
「エースが怪我したらどうするんだよ?」
悪びれもせず頷く彼に、今度は非難が集中する。だが、それ以上何も言うつもりもない流川は押し黙ったままだ。なにより、彩子に口止めされたこともあるし。
「ほらほら、くっちゃべってる暇なんてないだろ?いい加減部活を再開するぞ」
二階堂がキャプテンらしく、険悪になりかけた一同に声をかける。彼のちょっとのんびりした口調に、少し怒気をそがれたのだろう。部員たちはしぶしぶ散って行く。
そんな中。彩子だけは顔色が悪いまま、その場に立ち尽くしていた。
(続)
09月02日(日)
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