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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■そして始まる日々(1) JOJO 広瀬康一 
 うーん、女の人ってああ言うのがステキって思うものなのか。よく分からないや。
「う、うん、まあ、そうだと思う」
 本当は『親友』呼ばわりされてるんだけど・・・言わない方がいい気がする・・・。
「だから不思議なのよ。普通、歳の離れてる人たちと友達づきあいなんてしないじゃない。一体どうやって知り合ったの?」
「・・・ま、人徳ってヤツでしょう」
 僕はそう言って、さっさと自分の部屋へ引っ込んだ。


 ───普通、歳の離れてる人たちと友達づきあいなんてしないじゃない・・・。

 そうなんだよな。
 僕はベッドの上に身体を投げ出して、姉さんのさっきのセリフを反芻した。
 これが仗助くんや億泰くんなら、学校が一緒だからまあありふれてると思う。
 だけど承太郎さんは海洋冒険家で、露伴先生はマンガ家だ。それもかなり有名な。ごくごく平凡に暮らして来た一学生が、知り合えるような人たちじゃない。
 それもこれも・・・。

『エコーズAct・1!!』

 僕の求めに応じて、久しぶりに姿を現したのは長い尻尾を持ったスタンド・エコーズ。
 それは決して普通の人間の目には見えることはない、自分の意思で動かせる守護神のようなもの。
 そして・・・これこそが、承太郎さんや露伴さんと知り合いになるきっかけを作ったものなんだ。


 ───2年前の下校中、僕は虹村形兆って人に『矢』で射抜かれた。何でもその『矢』は『スタンド』能力を引き出す道具らしいんだけど、万能じゃなかった。『スタンド』の素質がなくって、『矢』に刺されたまま死んでしまう人もいたから。
 その時の僕はと言うと・・・危うく死にかけるところだった。仗助くんが自分のスタンド、『クレイジーダイヤモンド』で治してくれたから、助かったけど。
 幸か不幸かそれから僕は『スタンド』能力に目覚め、杜王町に潜む殺人鬼を倒すべく、闘い始める事になったのだった・・・。


(不思議だよな・・・)
 あの時、『矢』に射ぬかれていなかったら、今の僕はなかった。仗助くんとはその前から友達だったけど、億泰くんや露伴先生と知り合ったのも、『スタンド』絡みだった。
 承太郎さんとは? 知り合った時期は仗助くんと同じ頃だけど、あの寡黙で孤高な雰囲気の彼と親しくなれるとは、ちょっと想像できない。
 だけど、僕らは巡り合った。そしてみんなと一緒に殺人鬼を倒し、この街を守る事が出来た。
 あの時の誇らしい気持ちは、未だに僕の心の中に生きている。
「・・・・・・」
 僕はエコーズを消して、パジャマに着替えた。ちょっと切ない気持ちになったから。


(続)

09月04日(火)
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