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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■虹色の一議席を。
大阪府議会最年少当選の尾辻かな子もと府議会議員は、二〇〇三年に当選し、二〇〇五年に同性愛者であることを公表した。そして実際にLGBTと呼ばれるセクシュアルマイノリティのための府政を幾つか実現した。
そして今年二〇〇七年、尾辻氏は国政―――参議院選挙に臨む。

そして何故かCDデビュー。大阪堂山のバーで行われたCD発売記念イベント「Running to the Rainbow」に誘ってくれる人がいたので行ってきました。

ステージで熱唱する尾辻氏
客席から熱唱する尾辻氏を携帯電話のカメラで撮ってきましたが、これじゃ誰か判らん。わざわざ肖像権や公職選挙法に抵触しないかスタッフに確認して使用許可を得てきたのに。
歌は「Running to the Rainbow」、かなり激しいハードロック系の曲でした。ポロシャツにジーンズ姿で熱唱する尾辻氏は恰好よかったです。もとヅカの和央ようかさんに似た雰囲気で。

その他、尾辻氏のデビュー曲披露のほかに女流落語家の桂あやめさんと漫才師おしどりマコさんの臨時ユニットでの音曲漫才やドラァグクイーンのカリスマ、シモーヌ深雪さんのステージなど、見どころ聴きどころ満載な三時間でした。

特に、桂あやめさんとおしどりマコさんの漫才はおそらく公共放送では流せない内容で……でも同性愛者の生活の困った部分やせつない部分が浮き彫りにされたものではありました。レスビアンのカップルが子供がほしいけどどうしよう……ガソリンスタンドみたいに「子種スタンド」があって、給油(?)して貰えればいいのにね、とか、そんな話。つらい内容を笑いで伝える、それは芸人の、落語家・漫才師の技術なのだな、と感心したのでした。

あと、桂あやめさん自作の曲という「エクスタシーいくよくるよ」は傑作です。これもきっと公共放送では流せないでしょうが、LGBTイベントにあやめさんが出演することがあればそのときには聴くことができるかも。みなさん、要チェックです。

そしてシモーヌ深雪さんのダンスはとても色っぽくてスタイルがすんごくよくて、極上のエンタテイメントでしたが、その後に述べた国政にチャレンジしようという尾辻氏へのメッセージが更に印象的でした。
「怒りをエネルギーにしないように。怒りをエネルギーにしたらそこで終わってしまいます。愉しいことをエネルギーにしてください」
ああ、そうだ。なるほど。そう深く頷ける御言葉です。

また、「LGBTの家族と友人をつなぐ会」の人も尾辻氏の応援にお出でていて、ゲイの息子さんからカミングアウトされた御母堂の仰ることに「息子がゲイ当事者であったことにも驚いたが、自分がゲイについて何も知らないことにも驚いた」と。この御母堂は思考がやわらかく、知らないことを受け容れようという余裕がある人なのだと感心。
全員がそうであれとは言わないし言えないけれど、多くの人がこのような人であればLGBTに限らずいわゆる「マイノリティ」にカテゴライズされてしまう人々はもっともっと社会にとけ込みやすくなるのに、と思いました。

また、「Running to the Rainbow」を作詞したkkjk氏(レスビアン)の御父君もお出でていて、カミングアウトを受けて「親がいなくては子供は生まれないが、子供は親のものではない。親がどうこうする問題ではないし、堂々と生きてほしい」と仰ったというエピソードを披露。こういう親御さんがこれから増えれば、当事者の「親兄弟にも自分を開けない孤独」はきっとなくなるでしょう。

そして、LGBTのみならず「マイノリティ」のことを常に考えて府政に携わってきた尾辻氏が国政に望めば、「虹色の一議席」が実現すれば、表裏ひっくり返したような劇的な変化はなくても、何処かで何かが少しずつ変化をはじめて、マジョリティもマイノリティもその境いのない世の中というものの実現に結びつくのではないかと、確かに思えました。私はこのイベントで尾辻氏のファンになりました。応援Tシャツ買っちゃった(ミーハー)。

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05月05日(土)
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