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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■切り込み。
佐々木倫子さんの「動物のお医者さん」という漫画に、似た挿話がありましたね。菱沼さんが自分の盲腸の手術の様子を手術灯でずっと見ていたというお話。「だって、ほかに見るものがないのよ〜、退屈じゃない」と菱沼さんは言いました。
麻酔がきちんと効いてくれたので、切られる痛みは感じずに済んだのですが、麻酔がよく効くように、術中ずっと上腕を圧縮空気でふくらませる駆血帯のようなもので圧迫されていて、それが痛かった。
締めつけられる痛みと血が通わなくなる重怠さ。それが素敵にクロスオーバーして腕全体が非常な高G下にあるような、重いような痛みが腕にずっとあって、切られるような、身体が勝手に暴れてしまう激痛ではなかったものの、耐え難かったです。
さてさて手術も終盤。それまで感覚のなかった手のひらに感覚が生まれはじめます。それは痛みです。「あー、痛いかなー?」から「あ、これは痛いね」に移行した辺りで申し出ました。早めに言っておかないと対応して貰えないかもしれません。
「あ、痛いです。手のひらがちくちくします」
「いま縫ってるところです」
厭な記憶が蘇ります。
先程ちらりと申しました目の手術のときです。やはり縫合中に麻酔が切れて痛み出したので「先生、痛いです」と訴えたんですよ。そしたら執刀医先生、
「あと縫うだけだから我慢して!」
外科医信用できねえ! と、このとき確信したのでした。「痛かったら言ってください」って言ってたから言ったのに、何もしてくれぬとは。縫うのが痛いんじゃないか。
しかし果たして、今回は麻酔が追加されたのでした。何と有難いことでしょう。当たり前の処置がこんなに有難いなんて。
やがて上腕の圧迫も解放され、縫合も無事終わるのです。

術日当日は包帯が分厚めに巻かれまして、多少動かしづらくはありましたが、手指は動かせましたので、思いのほか不自由ではありませんでした。麻酔が切れはじめた頃に痛みがありましたが、ひどくなる前に処方された痛み止めを服んでことなきを得まして、それ以上の痛みはありませんでしたし、いまのところ化膿もしておりません。
しかし翌日、術創処置のため再度通院したのですが、かなり腫れたらしいです(自分では判らない)。内出血も多く、傷周辺が腫れて、腫れたせいで中身が術創からはみ出していたので処置しておきました、と処置後に医師が言いました。そう言えば鋏で何か切っていました。ところで「中身」って何?
この日の包帯を取った手の姿は、内出血でところどころ紫色だし、術創は全然閉じてないし、腫れているから傷の中見えてるし、縫い目はあるし、血はこびりついているし、ホラー映画そのものでした。
術後4日めはそのときよりも随分おとなしいものです。

Aの傷はすっかり塞がっておりますが、@の傷がまだ塞がっておりません。これが5月26日の段階です。順調にいけば明日5月30日が抜糸予定日だったのですが、術日翌日の様子から、抜糸が遅れそうだとは既に医師から聞いております。明日も通院予定ですが、抜糸はされないでしょう。
しかしながら、術後2日めから単車に乗ったりキーボードでのタイピングなどもできておりますので、不自由は少ないです。また、術前まであった指先の痺れや腕の痛みはすっかりなくなっております。
手のひらの傷が、手のポーズや力のかかり具合いによって少し痛むことがあるので箸が使いづらいのと、包帯や傷を濡らすことができないので入浴や洗いものが面倒。不自由はそれくらいです。
入浴する際はこんな感じにラバー製の手袋を着けて、サージカルテープで密閉しております。

これが意外と面倒なので、入浴頻度がやや下がって、調理頻度は一段と下がっております。入浴した折りに続いて洗いものをまとめてするようにしております。
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05月29日(月)
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