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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■キラ キラ キラ
『ロング・ラブレター〜漂流教室』に比べれば、『恋ノチカラ』は随分とリアルな話しだと思うだろう。でも、私はこのお話しこそおとぎ話のような気がしている。「現代のおとぎ話」そんな風にいうと、すっかり色あせてしまうんだけど。おとぎ話だなぁって、思うんだ。
吉武さんのセリフに「失わなくてもいいものまで失う必要はないんじゃないか」みたいのがあって、それは、独立した会社を倒産させるしかない、せっかくの仲間、木村、吉武とも離れなければいけないと今度がホントのリセット、リ・スタートだと思っている貫井に(春菜とも別れたし、って付き合ってたというよりデートしてただけって感じだけどね)、籐子のことを気づかせるための言葉だ。「この人、と思う人と出会えるほうが珍しい。それは奇跡と言えるかもしれない」みたいのに続くんだよ。正確に耳コピしてないのですが、そんな感じの言葉いうの、西村雅彦がさ。それは、終ってみると、この作品自体に言えるんじゃないかと、思うのね。それで、おとぎ話な気がするの。『恋ノチカラ』は、どれが揃わなくても、こんな風にいかなかったと思う。脚本が飛びぬけて素晴らしいわけでなく、役者のチカラとか、美術や小道具とかのスタッフのチカラとか、何より小田和正の主題歌のチカラとか、それを選んで集めた人たちのチカラというか、そういうのが全部あわさって、作品のチカラになったと思えてくる。
脚本が悪いと言っているのじゃなくて、例えば、やっぱりこう、「働く一、人」としては、「どんな社会人だ!」って思うとことか、「こんな会社あったら、こんなスタッフだったら働きたいわ!」とか、「そりゃもたないだろう、そんなことじゃ」とか、「籐子さん、新しい面接で、本音だとしても、それが貫井さんたちと働くことで得た宝物でも、そんなこと言ってちゃ、働き口なんかないのです、仲間はだんだんにできてくるのです」とか、「やっぱり、最後は楠木文具の鉛筆爆発的に売れるんだ、しかもそのタイミングで・・・デキスギ君ですよ」とか、思うけどね、それこそ「ドラマだし、おとぎ話でいいんじゃないの?希望があっていいんじゃないの?」とも言えるわけです。でもね、これ、この話、別のキャスト、別のスタッフだったら、ここまでそれでも面白く仕上がったか?貫井のぼけぼけは、堤真一ならでは、籐子の存在だってふかっちゃんのキラキラによるんじゃない?彼女のキラキラヴォイスだからこそ、「貫井さん」「春菜ちゃん」というただの呼びかけすらも生きるっていうか、耳に残るっていうか・・・だし、木村くんの坂口、春菜ちゃんの矢田、真季の猫背さんも、みーんなキャラがはまって生きてた。吉武さんも西村雅彦の悪者?いい人?天然?スゴク鋭い人?うわ、アク強いです、っていう微妙さが嫌味とのギリギリのラインで際立たせてた感じするの。もう、役者として好きだから、言ってるだけなの?私。目が眩んでますか?そんな事ないと思うんだけどなぁ。
あぁ、忘れてました、楠木文具の社長。あの人いいです。特にもう全部たたみます、的状況になってから、電話を取った時の声のトーン、もう、抜群。そして籐子が近くまで来たから、って寄ったときの「いいんですよ、このままでも倒産する会社だったんですから、楽しかったです。良かったんですよこれで」みたいなこと言ったときのトーン、うまいです。ある意味、本当に群を抜いて、一番のキャスティングかも!
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03月23日(土)
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