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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■味方
前作の主人公の名前は繭。繭はからにとじこもっている。雛は守られるべき小さな生き物だが、自分で多少動けるし、成長する。この名前に込められた思いは、野島さん、なんですか?今までは死に向かって行ってしまう人物を書いた野島脚本。今回は、望まない死がこちらに向かってくる人物。どうなっていくんでしょうね。
『僕の生きる道』中村先生はできすぎている?いや、そうでもない。彼は、毎回、「こう生きるときめたから」そう言う。でもそれは、エンディングや次週には変わっていたりする。これは、脚本がゆらいでいるのでなく、中村先生の立場の人間が揺らがないはずが無いのでリアリティを感じて良いと思う。主治医の小日向さんがすごくいい。「味方があらわれる。それを君はのがしてはいけないよ」。死に直面した人間でなくても、味方はいるほうがいい。それもエセでなく、心からの。ラスト、「みどり先生がすなぎもを注文することだけはわかっている」さだまさしの歌かと思った。中村先生には、彼を見つめてくれている味方がいるのだ。これは大きな違いになるだろう。もちろん、本人の資質もあるけれど。
彼は1人で、この現実を受け止めて、残りの人生を悔いなく生きようと決めた。それまで彼は今よりも、もっと先、老後まで計算して配分して今を生きていたから。迷惑をかけそうになるまで誰にも告白しないことは、彼なりの流儀であるが、突然、意欲的になった彼のことを理解できる人間はいない。彼が時間を惜しむように東奔西走する姿、生徒に思いを伝えたい真意、それは、伝わらない。それは、ある意味もったいないことだ。哀れみや同情でなく、真実というものは突き刺さる。だから、彼が、味方を得て、早く自分がしょいきれないほどのものを持ってしまった。時間なんて永遠にあるものと思っていてはいけない。人の命を軽んじてはいけない。受験ばかりでなく、もっと大切なことがあることをできるだけ早く気づいて欲しい。そんなことが病気をカミングアウトすることで、もし、たくさん生徒に伝わるなら、ある意味武器にして、教師としてやれるだけのことをやる人生を送って欲しい。そんな風に考えたりもする。彼には味方がいるのだから。信頼していいのだから。心強いこと。「僕の余命はあと1年です」そう告白することのデメリットよりも、メリットを描いてくれたら、もっと生きてくるんじゃないかなぁと思ったりするのです。
最後に『HR』から香取先生。こんなにいい加減で、でたらめな先生はいるだろうか?(ある意味いい加減ででたらめな人はたくさんいるけど)でも、憎めないのね。人間て完璧だからいいってもんじゃないし、人間的に愛してしまう人というのは、こういう人かもしれない。いいかっこしようと必死なんだけど、ずっこけて、ばればれの見え見えで、ひどいこともウソもつくし、全然いけないんだけど、そういう悪いとこも見つつ、一応正義感もあったりする、いいとこもあるから、きっとみんなは、HRも帰らないでいるんだよね。味方になってあげたくなりそうな人なのかもしれないね。
01月28日(火)
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