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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■藤木様@おやかた様「太閤記」
オフだった脚本家福田靖が、企画を聞いて、乗って、でも、オフを過ごしていた場所で書いたのが良かったのかもしれないね。そう、それはニューヨーク。本人のコメントとしては「日本にいたら、色々資料とか時間無いなりに読んだかもしれないから」ってことだったけど、特に秀吉が「オヤカタ様は人を斬り過ぎます」って諭すところで、「斬られた敵にも妻や子がいるのです。かたきを討とうという気持ちになります。憎しみは憎しみしか生まない。天下を統一し、平和な世をつくるなら、オヤカタ様、もっと人を斬らない方法を考えてください」みたいに言ったとことか、どうしても今の世を思うじゃない?しかも、本能寺の変と言えば、火の中舞う信長が有名らしいけど、本当に言ったのか知らないけど「かたきはきっと秀吉様が」という蘭丸に「秀吉はそうしない、でも、それでいいんだ」と言って、割腹する前に笑う。はじまりはもっと昔だけど、アメリカという社会に打撃があったことで、全世界的になった気持ちとか、結局極東で戦争が続いている事とか考えたら、この始まりはニューヨーク。そこで書いたってことは、多少は影響があるんじゃないかと思う。

これは、戦国時代を描いた時代劇で、その中で秀吉が、こんな人だったら、っていうのが「今までと違うつくり」ってことで、若い俳優もつかい、言葉も現代語を使い、若い人間にも時代劇を見るチャンスになったり、固まってるイメージに「ん?」と投げかけるっていう「時代劇」の試みであったのかもしれないけど、そういう姿を借りただけで、本当のメッセージっていうのは、この時代だからこそ投げかけたいもの、そして、それをまるまるそのままやるんじゃなくて、そして、年齢層を広げるためにこういう形をとったっていう、そういう感じがしたので、これは、すごい成功じゃないかと思う。見ててそう思ったし、そう感じると、普通の時代劇や、今までの戦国を描いたもの、その人物像、ましてや大河と比べる事自体が、全然、意味のないことのように思えた。

特に、短い時間しかないところに、秀吉の百姓時代から描くのに、なんでストーリーテラーとしての中井貴一のとる時間が長いんだ?って思ったかもしれないな、って思うんだけど、上述した考えでいくと、彼が師範として教えている若者達、最初は血気盛んで、武士とは!戦で巧妙を上げるには!ってことしか考えられなかった彼らが、話を聞いていくうちに「共感」していって、本当に天下を取るような人、束ねる人っていうのは、そういうもんじゃないんだ、とか考えるようになる。っていうのを前半はいい感じの間合いで挿入し、後半は〆的に使ったっていうのがは、この物語としてはある種、軸なのかもしれないな、と思った。
でも、これもそれも、私が歴史を知らないからこそ、言えることかもしれない。フィクションとはいえ、ちょっと・・・って、思うことはあるのかもね。例えば、最後に「いいえ、あなたは何も変わりません」と、「金に替えていい、って言った仏像」を持っていることなども含め、言うんだけど、確か、秀吉って後期、安定してくると千利休を擁護しすぎたり(文化のない国や、文化の廃れる国は国として良くないから、いいんだけど)金満主義に走った人じゃなかったっけ?じゃ、「全然変わっていない」ことにはっ?て思ったからさ。


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12月27日(土)
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