ID:34326
ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■銀ちゃーん、もとい、いのどーん
ところで、ま、その、身請けが嫌で逃げようとして結局、親分の部屋でかくまわれることになるお光。お勤めがあけたあとのことを約束し、普通は一人の人にしか書かない起請文を何人にもくばっていてばれるお染。ちょっとした宿にと投宿した薩摩浪士の中で高崎(ラサール)がお梅に資金を入れ揚げてしまってまだ赤が出る。そんなこんなで丁度問題が噴出してきた時に、佐平次のあまりの働きのよさ、気配りに、客からも重宝され、居残りのくせにお客から祝儀はもらうわ、お姉さんたちの用事を小額で請負、かせいでいる。若い衆はそれが面白くないので(ご祝儀もってかれてますから)主人に佐平次を追い出すよう頼む。主人がいのどんに言うのだけれど「すまないが出ていってもらえないかね?居残りの分の金はいつでもいい。突然出て行けと言われてもこまるだろうから、これは旅の路金に」とお金までもらい、主人の羽織までちゃっかりいただき、居残り佐平次は店を出る。
さてさて、物語は大詰め、金に窮した薩摩浪士はこれは国のためだから、援助してもらうのが筋で、払う義務はないと勝手な理屈を通そうと思いつき、派手などんちゃん騒ぎをその夜にやる。お染の問題は佐平次が出ていく前にうまくごまかし落着。そしてお光のことも、こうなったら別の身請け人として次郎長親分をでっちあげ、サイコロ勝負(いかさま)して落着。次郎長親分にしてみればホンモノなんだけど、佐平次他、誰もソレを知らない。だから、次郎長の次郎長ぶりに「いよ、なりきってるねー」「そこまでやらなくても」とか、チャチャを入れる。このあたりもうまかった。で、問題のどんちゃん騒ぎだけが残った。この時点で佐平次はもういない。次郎長が「好いた男がいるから」と「親分は本当にいい人だけれど、こればっかりは・・・」と断られ、潔く引き下がった相手のお梅。薩摩浪士の中でも傍若無人者が、暴れだし、ついにそのお梅を廓遊びのルールも何もなく力でなんとかしようとする。それを見かねた親分が、またひとはだ、清水の次郎長としてお梅のために一勝負、命がけでやろうじゃないの、っていうことに。ここからがチャンチャンバラバラ。
明治座の廻り舞台を暗転を使わないように、フルに使いたい水谷演出とは言え、それまでの幕では気になっていた、廻り舞台の多用が、実はここのチャンバラシーンでごっつう生きてくるという。二階と一階の廊下をはさんでこちら側とあちら側、ひとつの建物が廻って廻って。一方に、あの「鎌田行進曲」の階段落ちを思い出させるような階段がございまして。お約束に小宮さんが落ちてました。こういう遊びも、わざとらしくなく、いい塩梅でした。最初の登場も、客電が落ち、するすると、普段、歌舞伎で言うと「人間」のあがってこない七三というすっぽんから、高座をまねた落語家(風間)がセリあがり、枕のようにこの話のさわりを語り、気がつくと、本舞台の方が薄いすける幕ごしに、廓の生活が動いている。すっぽんがさがるのとその幕があがるのとのタイミングもよく。また、もちろん、せっかくの花道ですから揚幕をシャッときって次郎長親分がさっそうと登場。いい男じゃないですか、子分にシンパイされている親分、清水の次郎長であっても、やっぱり、平田さん言い顔、いい形。お座敷遊びのシーンも日舞をやってらっしゃる方もいるようで、中々。
と、チャンバラシーンで舞台の使い方の話になりましたけど、最終的に若い衆の一人がいのどんを呼びに戻り、いのどんが意表をついて帰ってきて、丁度そこに雨が降り出し「この勝負、水入り」って、流血沙汰無く、終るという趣向。浪士たちはこそこそと、親分たちはさっそうと、それぞれ帰っていく中、いのどん佐平次はと言うと、ここで居残りつづける様子。お染に起請文を書いてと頼まれて、これはもしや自分にか?と思ったら、そこまでうまくはいきません、若い衆の一人まつどん(一人ホンモノの落語家花禄さん)がお相手だった、恋の鞘当は勝手にいのどんと親分がやっていただけ、という落ちですね。そして今日も、遊女でなく下働きとして働くことになったお光のお尻をおいかけるように雑巾がけをする、そんな調子のいい佐平次のひとこまで幕は降りる・・・。
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06月03日(月)
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