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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■はからずも、はからずも・・・
 もう一人の経験者、彼は美術の教師(京野ことみ)が好きである。「会いたいから、いつもの公園にいるから来て欲しい。」と電話する。京野は、小津に電話する。「彼らは、公演にいるわ」

 メール・ジャンキーの彼は、転校の事を仲間に伝える。それまでは、いじめや引きこもりで一人だったのに、こうやって外にもでられて、みんなと何をやったわけでも無いけど楽しかった。そして、「勝つ、ってどんな気持ちだろう?」自分たちはいつも負け組みにいるけど、勝ったらどんな気持ちがするだろう。小津はそれを聞いていた。自分の人生もこのまま負けたんじゃないか?と、生徒に言われたとき、自分は負けたまま終らない。と言っていた、それを、その気持ちを彼も今、感じている。

 何夜か体育館で待ちつづけた後、5人が集まる。小津の監督は嫌だと言う。「それでも結構、じゃ、カトケン任したよ」去る小津。メール・ジャンキーの家を訪ねる。銀行マンが、取立てにきている場所に出くわす。
 実は、体育館で待ちつづける日々のある夜、銀行から、不良債権の整理のために呼ばれる。小津しかできない、と。そして、銀行マンとしての復帰を約束される。その場で小津は、銀行を守るための、厳しいやり口を後輩に叩き込む。しかし、彼は、体育館に戻るのだ。今夜当たりくるかもしれないと。小津がやってきたこと、正しいとしてきたことが、はからずも一人の生徒のやっと見た夢を奪う。

 女子の監督に急いで練習試合先を探すよう依頼する。結果は、負け。だけれど、メール・ジャンキー=仲間のために、「勝ちたい」という意識、それには、チームワークと小津の作戦が必要だと気づく。彼らにとっても、一番嫌悪するべき種類の大人であった小津が、はからずも彼らの心をノックしたのだ。
 そして、谷啓の跡を継ぐ経営者になる娘(西田尚美)が、無銭飲食をした彼らの処分をまかされるが、「できない、できない」「わからない」「生徒が怖い」と、泣いてばかりいた。この日の試合の後、自分で「背部を言い渡す」とやっと決意した。ところが、彼らのことを「信じたら裏切られる、そんなやつらだ!」と言う、小日向に向かい、泣きながら言う、「そんな風に、言わないで。私の子供たちなんだから」はからずも、小津が「幽霊ってどういうことか」それを知りたいために、はじめたものだったようなことが、どんどん、人のカラを壁をとっぱらっていく。計算づくでなく。

 小津は知っていた。メール・ジャンキーの生徒が、一両日中に夜逃げするほど差し迫っている事を。試合の夜、生徒から「ごめん」という電話が入る。他の4人に彼の家の前での集合をカトケンにかけさせる。門扉に、彼の76ersの赤いタオルが結ばれて残されていた。

 それを見つめ、生徒達は小津に言う、「勝ち方を教えてくれ」
 
 小津は将来性を見ることができるだろう、戦略も立てられるだろう。経営のプロだった。何億という金を毎日動かしていた。多少、人間を見る目はあり、もしかして、という計算があるかもしれない。でも、すべては、はからずもはじまったこと。そして、動き出した。大きな分岐点でなくとも、日々と言うものは、詳細に見つめなおすとそういうことの積み重ねなのかもしれない。はからずも・・・
 
追記 メール・ジャンキーの彼は、途中で携帯の料金を払えずに止められる。授業中も止めなかった彼は実は、母とメールしていたのだ。

10月30日(火)
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