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へそおもい
by はたさとみ
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■バリの夜の気配
神社の拝殿でおこなわれた
スニュム*スニュムさんの
ガムラン演奏をみに
高津宮にいった。

カンカーンと
最初の音がカラダに入ってきたとたんに
くくくくっと胸がふるえた。

あの音をきくだけで
遠い記憶が
よみがえるような
なにか
なつかしい感触がする。

鶏の声とか
風が木をゆらす音とか
山の足音とか。



数年前バリにいった時に
庭に蓮の池とプールのある
コテージに泊まった。

田園風景を見渡せる
小さなプール。

泳ぎたかったのだけど
水着をもってこなかったので
友だちとふたり
夜中にこっそり
泳ぐことにした。

プールは
足がつかないくらい深い。
カエルの気持ちになって
一気に向こう岸まで泳ぐ。

空には星たち。
虫の声。
豊かな水の中。
自由な手足。
椰子の木の間から
風にのって遠くのお祭りのような音が
きこえてくる。

途中
宿の管理人の人が
懐中電灯でみまわりに来た時は
ちょっとびっくりしたけど
彼は挨拶だけして
とおりすぎていった。

どれくらい
プールの中に
いたのだろうか。

なにかの気配がしたんだ。
姿はどこにもみえないのだけど
木々の間
草むらの中
すぐそばに
気配がしたのです。

「もうあがろっか」

そういうと
一緒にいた彼女も
同じ気配を感じたようで
わたしたちのプールタイムは
急におひらきとなった。

あの気配。

姿はみえないけど
濃厚なあの気配。

ガムランの音は
あの気配をよみがえらせます。

こわいけれど
いとおしい
そんな感触。




バリ舞踊も
友だちの妖怪みたいで
すごく格好よかった。

時々
神社の境内の木々が
風でざざざざざーとゆれて
ガムランの音と風の音が
まじって
どちらがどちらか
わからなくなりました。

スニュム*スニュムさんたち
13周年なのですって。
あえてよかった
おめでとう。

また
バリにも
いきたいな。


***


はじめて
太陽がのぼっている時間帯に
ふでぞうに会った。

いつも
酔っ払った帰り道の
人気のない商店街で
みつめあう仲だったのです。

筆でつけたような
模様がおでこにあるから
ふでぞうと名付けています。

こうして
昼間に会うと
なんだか
すこし照れくさいね。

ふでぞう
08月30日(土)
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