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へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅6(忘れそうになりつつもがんばってかきなぐる)
こぐ棒(シャフトっていうのかな?)をもちながら
おしえてもらう。
あんまり
日常生活では
やらない動き。
難しいけど
わくわくする。
カヤックへの乗り込み方など
おそわって
いよいよ
くもり空の
ぬろんとした
海へ!
すーっと
すべるみたいに
海の上にでる。
わたしたちは
ふたり乗り。
わたしが前
まやさんが後ろで
舵取りをしてくれる。
天野さんとひろみさんは
それぞれ
一人乗りで
わたしたちを
前後左右から
見守ってくれる。
そうして
ゆっくり
ぷかぷか
大海にすすみゆく。
きもちがいい。
「あ、きょうは黒糖つくってる!」
遠くの岸から煙がでている。
風にのって香ばしい香り。
黒糖工場(といっても小さな小屋)で
黒糖をつくるのは
まいにちではないらしい。
きょうは
炊く日だったんだ。
島の人たちの
生活におもいを
馳せる。
加計呂麻島には
「かけろまきび酢」というものがあって
壷にさとうきびを入れておくだけで
できるお酢なのだという。
それは
この島でだけ
その作り方でできるんだそうだ。
加計呂麻島の空気中だけにいる
さとうきびをうまく酢にする
酵母菌たちがいるのだろうか。
昔の人が
たまたま
壷にさとうきびを入れていたら
酢になっていて
びっくりしている場面を
想像する。
そして、
それが
この島でだけだということが
わかって
まほうの島だと
いわれているのを
想像する。
でも
ほんとうに
ここは
まほうの島みたい。
まわりにあるものが
ぜんぶ生き生きしている。
どこにいても
生きているものに
かこまれている。
その気配に
安心する。
海の色が
うすいグリーンブルーから
透明な紺色にかわる。
こんなに
ちかくで
こんな
美しい色の水を
みたのは
はじめて。
お魚がおよいでいるのがみえる。
いまの季節は
海がめがいて
ときどき
呼吸しに
首をだすことがあるのだという。
とぷんとぷんとゆれる
海の上
湾の端
岩場のごつごつした
がけのそばを通る。
「流れが強くなってきたね
そろそろひきかえそうかー」
方向転換して
砂浜のほうへ。
風がすこし
つよくなっている
海の色が
また
紺色から
緑がかったブルーにかわる。
砂浜にむかって
「体育会系になろう!」
といって
すこし
スピードをだしてみる。
つるつると
すべるように
海の上をはしる。
あの
砂浜のはしっこを
めざして。
そうして
浜に
到着。
カヤックにのっていたのは
1時間くらいという。
そんなに
時間がたっていたとは
おもえない。
もうすぐ
お昼ごはんの時間。
「すこし寒いから
焚き火をたきましょう」
みんなで
乾いた枝や
流木を
あつめる。
わたしたち以外
誰もいない浜。
アダンの木が
わさわさ。
カヤックをとめたそばに
すこし穴をほって
枝を組んで
火をおこす。

ひろみさんは
枝のひろがった木の下で
つるつるの葉っぱをしいて
その上で
おなべをふたつ
コンロにかける。
ひとつは
パスタゆでる用
もうひとつは
トマトソース。
その枝の広い木は
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04月06日(土)
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