ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅1
でこにあてていると
すーっと痛みと熱がひいてきた。


色白丸顔美人天使の
おかげで
随分と楽になってくると

また旅テンションが
あがりはじめ

地図をみる
余裕もでてくる。


地図をながめていたら
となりの奥さんの方が
突然

「わたしら、ここに住んでるんよー」と
地図を指さす。

加計呂麻島だ。

「わたし、後半加計呂麻いきますよ!」


「ほんとう!うちにお茶のみにきたらいいんよー」
奥さんがそういうと
「わし舟だすよ。釣りにつれてってやる」
と旦那さん。


おふたりは
大阪から移住して9年目。


旦那さんが海が好きで
奥さんのおばあちゃん?が
奄美大島出身というご縁もあって

定年前に仕事をやめて
移住したらしい。


今回は
大阪のお孫さんの
卒園式に参加するために
大阪に来ていたのだそうだ。

地図をみながら
話をする。

「ここの浜、わたし一番好き!きれいよー」
「ここはね、くじらがみれることもあるんよ!」
「ここもねーきれいよー」
「うちの集落はね、9軒しかないの…」
「一回マグロがあがったことがあるんよ!」
「朝散歩して、朝ご飯食べて
 釣りにいくか、畑仕事して、お昼食べて
 午後はなーんもせんで…」
「野菜と魚は自分たちでとれるから充分。
 週に一回、古仁屋(大島側の港町)にでて、
 お米とね、調味料とかね買いにいくねん」
「加計呂麻にいたら、なーんもないからね
 お金つかわんよー。でもなーんもないから。
 海と自然はあるよー」


…話をききながら
加計呂麻の生活に想いを馳せる。

わたしもいつか
そんな場所にすみたいなあと
おもう。


「加計呂麻でね、シーカヤックするんです。」とわたし。
「どこで?」
「リトルライフっていうシーカヤックつれてってくれるとこがあって」
「天野さんとこじゃない?」
「あ、そうです!」
「天野さんしってるよー!すっごくいいご夫婦よー」
「ご存じなんですか?」
「うん、会ったことあるよー。
 天野さんだったらきっといいわー。
 およぐ姿がすっごく格好いいっていう噂よー。
 ほんとにいい人たちよー。」

これから出会う人のことを
知っているなんて
なんだか偶然のご縁ではない気がして
わくわくしてくる。


なんやかんや話しているうちに
お昼12時
飛行機は奄美空港へ。

飛行機をおりると
くもり空。


おもったよりも
涼しく
薄い長袖1枚じゃ
ちょっとひんやりするくらいだ。


奄美空港は
小さくて活気のある空港だった。

空港から
わたしが今夜宿泊する
奄美の中心地名瀬まで
送ってくれるというお言葉に甘えて
ほかほかご夫婦と一緒に移動することになった。


途中
おふたりが毎回食べにいくという
どこかの集落のホテルのランチに
つれていってくれる。

車をおりると
海がすぐそこにみえる。
ホテルといっても
リゾート感があまりなく
素朴なあたたかみのある
集会場のようなイメージ。

マリンブルーのじゅうたんが
一面に敷かれた館内の奥

ひろびろと空間をつかった
海のみえる食堂で
600円のランチをいただく。


それが
600円とはおもえない。

ぶあつく新鮮なおさしみ
魚のだしのきいたお味噌汁
茶碗蒸し
野菜のたっぷりはいったホワイトシチュー
ポテトフライとお魚のフライ
野菜サラダ
わかめときゅうりとしらすの酢の物
ドリンクバー。


「やすいでしょー。ここみつけたんよー」
「この値段で、これ、おいしいですねえ!」
「おいしいならよかった〜」


そこから

ほかほかご夫婦のお買いものに
スーパーによったり、
路上のお花屋さんによったり。


住んでいる人の

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04月01日(月)
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