ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■恋うる桜花


頬を薙ぐその風は冷たく

空に見放されている気がした。

ゴーグル越しに見える空は青く

眼下に見える街並は知らない所なのに

何故か懐かしく、そして悲しく見えた。

白菊はごうごうと音をたて、前へ進む。

それは自分の怯えにずくずく刺さる刺を

ぐぐっと押している錯覚に陥らせる。

愛機の横腹に見える赤い日の丸。

それを見て、口の中で言葉を含む。

”後に続くを信ず・・・・か”

ふと見やると、

隣に同じ日の丸の白菊が一輪

華に例えるには無骨で質素なその色合い。

しかし、その中に乗る人は、

俺にとっては白菊も同然だった。

赤い髪がぱたぱたとはためいているのが遠目にもわかる。

彼はこちらを向き力なく微笑んだ


涙が出そうだった


お国の為と皆志願してここに来た。

ただ、ただ俺だけは違う。

俺は彼の居ない未来に絶望したから

ここを選んだ。

純粋に国を思う彼の心をふみにじり

此処に居る。

彼との幸福な死のためだけに。

彼の口が動く

”次は靖国神社で・・・・”

俺は応える

”九段の桜も悪くない”

悲痛な表情の彼は

しかし満開の桜の如く美しかった。

儚く散るその様が

これから起こる事を案に仄めかしているかの様で

悔しくて唇をぎゅっと噛み締める事しか出来なかった。


遠くで轟沈!轟沈!と高く叫ぶ声

そして激音が鳴り響いた。

お互いにどちらからともなくぐっと舵を傾倒した。

重い機体はすんなりと速度を上げて下降しだした。

そのまま彼の姿も見ずに目を閉じる。




あぁ、短い人生よ。さようなら。

遠く、日の国に居る家族よ。

俺は国でも家族でもなく、

自分の愛の為にこの生を終えます。

我が侭で申し訳有りません。

親不孝で申し訳有りません。

しかし

自分は今とてつもなく幸せなのです。

彼と同時に死ねる事がこれ程にも幸せなのです。






月日は立ち

日本には豊かな時代が訪れた。

生に困らないこの国を

見守る者が居る。

何万という愛国の徒が

桜のひとひらになり我々を見守っている。

その中で

根本をわかちあう2本の桜は

特に優しく我々を包みこんでくれるだろう。



愛に死んでいった者たちは



優しい瞳で


この国を見続けているのだから・・・・・








特攻隊のお話です。
付け焼き刃です。
語録説明ー
”後に続くを信ず”は特攻隊員の間で
よく言われてた言葉だそうです。
言い出しっぺは若林東一さんという人だそうです。
”靖国神社で会おう”は
何ですか、死んダ自分らの魂は靖国に還ると思ってたそうです。
九段は地名。靖国のある所。
”轟沈”はこんな特攻くらいで
敵艦が沈没するはずないのはわかってたんだけど
鼓舞しないとやってらんないから、沈む事を信じて
こう叫びながらつっこんだそうです。
ってか誰の語りですかねぇ?
まぁ・・・・・適当に誰でもあててください★(最悪)
あっ忘れてた
白菊は機体の名前です。
特攻は悲しいです。
軽々しくうちなんかがネタに使っちゃあいけないんだろーなぁ・・・

でも、これでちょっとその事について
考えてくれる人が出て来てくれると嬉しい。
命は消耗品じゃないんですから・・・・・・・
平凡がつまらないという人も多いですが、
非凡はとてもつらいです。
戦争の時は毎日が非凡、食事もなく、
心に余裕も無い時代です。
暇なんて心に余裕が無いと感じられないんですから。
一日一日を大切に生きた方が良いですよね。
っとまぁこれは全て自分を鼓舞する言葉なんですが・・・笑


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09月08日(月)
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