ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■朝の夜
夜の始まる刻
小さな花の蕾に朝露が落ちると
不思議な事が起こるんだよ
でも
そんな事できっこ無いよね
夜に朝露も無ければ始まりも無いんだもの
+朝の夜+
目覚めるともう辺りはすでに暗くて、
稀少な休みを寝てすごしてしまったのだなと気付く。
飲みかけのサイダーの硝子瓶の中のビー玉が
カランッと音をたてた。
炭酸はとうに抜けているだろう。
今日も空には星くずたちが広がっている。
空腹を訴えるお腹を押さえて、
冷蔵庫をあけてみると、
そこにはナニも無く、
冷凍庫にアイスクリィムがひとつ限りあった。
それを手に取り、窓辺に行く。
そこには大切に育てた小さな花があるのだ。
アイスクリィムを食べながら、
その蕾を触っていると、
箱にくっつく霜が溶け、
蕾にひとつ落ちた。
すると蕾がみるみる開きだした。
驚きその蕾を見るとそこから線路の様なものが伸び出てきた。
それは実際線路なのであろう。
そして瞬きをすると其処は車内であった。
誰もおらず、ただ一人立ち尽くす事のこの気まずさは酷いものだ。
近くの4人掛けの椅子に座り込んでみる。
その椅子のクッションは思いがけず柔らかかった。
そのままよくわからない不思議な線路をずぅっと眺めている。
光り輝く苔の密集する森林地帯、
魚が飛び交う人の無い小さな町、
賑わう海上の市場、
どれも目を引くのは充分なものばかりだ、
そして草原が広がる駅で、
一人の人が乗ってきた。
紅い髪が印象的。
「名前何て言うん?」
見詰めてそう言ってきた。
その人は名前を言うとにこりと微笑んだ。
こっちから名前を問うと、
答えてくれなかった。
二人向かいあい車窓から眺め見る景色。
不思議なものはずっと流れている。
光を売り歩くリアカー
紅く光る飲み物を買う猫
風鈴の中で泳ぐ金魚
目を輝かせ見ているのに
その人は普段どおりだといった風情で眺めている。
「次の駅は七面鳥が踊って迎えてくれるんやで」
その人は紅い髪を揺らし笑った
だからこっちも笑った。
七面鳥の踊りは何とも滑稽である。
それを眺めやりながら通り過ぎる駅。
「車内販売の林檎とミントのパイは絶品やねん」
その人が言ったので買うことにしようと思ったのだが、
いきなりの事だったので持ち合わせが無い事を思い出す。
「ポケットに有るはずやで」
探ってみると本当に有ったのでびっくりした。
50と書かれた銀貨が一枚
パイ一切れ買ってお釣りが出た。
二人でパイを食べる。
ミントがちょっと鼻をついた。
そうやって何駅かやり過ごしていると、その人はまた話しかけてきた。
「次で降りるな」
その言葉に振り返ると彼はもうおらず、
車外からその人は手を振っていた。
その駅は何も無い闇
その人の足下はすでに黒く包まれている。
「じゃあ」
その人がそう言うと視界が一揺れし、横に動き出した。
窓から顔を出し、駅を見やるも、
もう駅すら闇に包まれていた。
その闇で目が痛み、
開けていられなくなった。
とうとう目をつむり、目を擦り、開けた瞬間
そこは元の部屋であった。
蕾を見ると花が咲き誇っている。
アイスクリィムは溶けてもう食べれないであろう。
夢だと思った
夢だと思いたくはなかった
あの人の紅が目に焼き付いて離れないから
そして
ポケットの中には
小さな銀貨と銅貨
サイダーの瓶の中のビー玉は消えていた。
あの人はまだ見付からない
END
切ない系第二段
ちょっと私なりに法則作って書いてあります。
まず、俺、自分、私等を使わない
次に彼、彼女等を使わない
抽象的にしたかったから・・・・・
銀河鉄道と長野まゆみ作品をチャンポンしたみたいな作品・・・・
すいません、両方好きです・・・・
意識したのは言うまでも無く・・・(笑)
しかし、
流石に言葉が出ない・・・!!!
下手なのはまぁ、いつもとして・・・・・・
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03月04日(火)
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