ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■今年初ssv
「あけましておめでとうございます」
TVからお決まりの言葉が流れてくる。
俺は薫くんとそれを何とは無しに聞いていた。
「新年やなぁ」
「…やなぁ」
「そんな特別でもないなぁ、案外」
「…やなぁ」
そうやって肩よせあってTVを見ていたりする。
「なぁ、堕威くん…初詣で行こうや」
「え…人多いやん…」
いきなりこの人何を言っとんねん。
いつも必要以上に出不精やのに・・・
「俺かて寒いん嫌やけど恋人と初詣では必須やん?」
薫くんはにこにこしてこっちを見ている。
俺は数瞬考えた。
「…じゃあさ、ちょっと待っててな…!着替えてくる!」
「えー、そのまんまでえぇやろ〜?」
「待っててって!!」
俺は薫くんの言葉を聞かずにベッドルームへと急ぐ。
そしておもむろにクローゼットからそれを取り出した・・・。
それを貰ったのは今から三日前・・・
「ねぇねぇ、堕威くん薫くんと付き合ってるらしいね???」
ブーーーーーッ!!
俺は飲んでいたお茶を思わず吹き出した。
「なっ・・・・!何言ってん!!」
ティッシュで口元や机の上を拭いながら顔が紅くなるのを止められない俺。
その話を切り出してきた衣装さんにバレバレなのは自分でもわかっていた。
「やだ〜〜v隠さなくていいのにぃ〜v薫くんから聞いたし!!」
「何やっとんじゃあの変態はぁぁぁああ!!」
俺はついつい叫んでしまう。
「やだ、彼変態プレイの化があるの!?」
「ちっ違う!!」
実際はそうです。(爆)
「まぁ、そんな事どうでも良いわvv二人ともどうせ大晦日とかお正月は一緒に過ごすんでしょ?」
「まっ・・・・まぁ・・・」
こういう時は認めてしまうのが一番なので俺は正直に話す。
「じゃあ堕威くん、薫くんを喜ばせるためにこれ着なさい!!大丈夫!!堕威くん普段の見た目じゃわかんないけど案外こういうのがかなり似合うタイプなのお姉さん知ってるから!!」
衣装さんはモノも見せずにそうやってカラカラと笑っている。
「これって何?」
衣装さんがごそごそと奥から出してくる。
「うふvvこれこれvv」
彼女が出したもの・・・それは紅い着物であった。(しかも高そうなファー付き)
「えっ・・・!!俺駄目やで!!そういうの!!」
「薫くん喜ぶよ?」
俺の頭の中に薫くんの喜ぶ顔が浮かぶ
「うあっ・・・・・」
衣装さんはにやにやと笑って続けた。
「一生に一度・・・って事で・・・ねぇ、」
そうやって着物をぐいぐいとこっちに持ってくる。
「・・・・・・・着る」
そうして、着る事になってしまった着物。
俺のクローゼットには今それが収められている。
着付けもここ数日のうちに教わった。
「・・・・やるときめたからには男●●●(本名)29歳!完璧に着こなしたる・・・!!」
やけくそで着物を着て、オプションで化粧までした。
鏡の前でくるっと回る。
「・・・・・・キモッ・・・・でも・・・・しょうがないか・・・」
俺は意を決して薫くんの居るリビングへと出て行った。
「堕威くん遅いでー何しよったんや〜〜」
リビングに出ると音で気付いた薫くんがこっちも見ずにぼやく。
「すまん、ちょっと・・・な」
「あ〜?ちょっとってなに・・・・・・・・・!!!!!!」
薫くんは振り向き様目をひん剥いた。
やっぱりこの格好キモかったかな・・・
「あっ、やっぱキモい?ごめん着替えるな・・・」
そう言ってまたベッドルームに帰ろうとしたとき、着物の裾をひっぱられた。
訝しんで振り返ってみる・・・
「・・・・・・・いぃ・・・・・!!!」
薫くんの顔は涙と鼻水と唾液でべちょべちょだった。
「汚いから」
俺は本気で初詣が嫌になった瞬間だった。
★☆★☆★☆★☆
「あーやっぱ人いっぱいおるな」
「うん・・・・・寒い・・・」
俺らは長い行列に並んでいる。
流石元旦、人だらけである。
ばかでかい着物男(しかも髪は紅)と寒さに凍える死にそうな男。
目立つのは必須である。
「俺ら見られてるなー・・・」
「堕威くん可愛いけんなー」
「ちゃうわ!!」
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01月01日(水)
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