ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■ain't afeaid to die(薫×堕威)ふじもる作

草木が生い茂るなだらかな丘
俺はそこをゆったりと、
しかし確かに踏み締めて歩いていた。
去年までは小さな道が有ったのだが、
1年も入らないでいると消えてしまっていた。
消えてしまって良かったのかもしれない。
あの時のままだとまだ目に涙が泌むから。
また君が走ってきそうな気がするから。
丘の上には小さな廃墟が有る
俺と君の出合った場所。
君の小さく可愛い家。
君の家か見え出した頃、ポツポツと白いモノがパラつきだした。
君の家につく頃にはそれなりに降り、白い地面を更に白く染めていた。
俺はあの時の記憶を探るようにしながら君の部屋へと歩く。手には一輪の花。
君が大好きだった赤い花。君の部屋の君のペン立てに、
そっと挿してみる。
窓の外に君が居るようで………
切なさを胸に押し込め、硝子越しに口付けた。
−笑って
もう泣くなや…
ずっと見てるから……−
何故かそんな君の声がした。
だから俺は笑いかける。
君が最後に見たこの色彩
もうすぐ消えて無くなる季節色。
君の好きな花はもうすぐ芽吹くよ。
俺はいつ君に再開(であえる)んだろう。
昔みたいに俺の名を呼んで。
そうすれば会えるはずだから。
ねぇ、堕威くん。君はずるい。
俺一人を残して逝くなんて…。
だからせめて呼んでよ。
俺の名前を……
薫って……

空を見上げると
次の季節を呼び寄せる最後の雪が、
君のように儚く散った。
赤い花の堅い蕾に
君色が降り注ぐ………


END



10月06日(日)
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