ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■耳障りな雄が要らなかっただけですか
防衛本能だろうか。
自身の与り知らぬ状況を、
回避しようと。
情報収集に、
集中して居たからだろうか。
漏れ聞こえる言葉。
決して、
其の一言一句を逃そうと、
意気込んで居る訳では無いのに。
聴覚が、
研ぎ澄まされ。
職場で呼ばれる名字は、
未だ、
旧姓の儘の事。
親の圧力を跳ね退け、
俺が一度訪れた其の場所に、
住めて居る事。
其の家の在処を、
周囲に隠す必要が無い事。
俺の直ぐ傍らで、
全て話せる事。
次々に、
勝手に耳へ飛び込む音声で。
次々に、
心の底では望んで居た情報が、
容易く手に入った。
包み隠さず、
自身の詳細を話す彼女の姿に。
一時期の、
惑いも、
澱みも、
怯えも、
見当たらなかったから。
「少しは役に立ったのか・・・な。」
「良かった。」
ふと、
独り言を洩らし掛けて。
彼女の、
視線の先に気付き。
其の言葉を飲み込んだ。
「恋愛はしばらく良いや。」
「先ず、きちんとしないといけないよね。」
其の朝、
絞り出す様に言い、
俺を退けた筈の彼女は。
其の晩も、
頻りに電話を掛けて来た彼に、
結局、
縋ったのだろうか。
其の日、
俺を利用した様に。
立ち上がる切っ掛けなんて、
案外、
転がって居るのに。
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References
Aug.10 2004, 「其の奥と脇が良いのでしょうか」
Jul.27 2004, 「他に伝えたい事が在りましたか」
10月28日(木)
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