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マシンガン★リーク
by 六実
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■ななどあメモその3
で、最終的に全11回(!)観た私なりの解釈は、これはやっぱり、ユディットと公爵の婚礼の物語なんだろうなぁと。
七つの扉の話はとりあえず置いておいて(7doorsなのに!)(笑)。
というわけで、その視点でもう一度振り返ってみます。
冒頭で公爵の使いの執事がユディットを迎えに来た時、ユディットの声に出さない喜びがあふれていて。七つの扉の向こうの世界と公爵へのあこがれ。
それは神へのあこがれにも似て。
城にあがって執事に公爵のひととなりを聞くユディット。そして七つの扉を開ける前に、突然現れた公爵、その表情には歓喜があって。
公爵に私を愛することができるか、でできます、と即答するユディット。
「どんな事があっても」「必ず」と。
そうして七つの扉をめぐるうちに、違和感を覚えていくユディット。
何故このようなものを見せられるのだろうか
「私はためされているのでしょうか」
それでも公爵の意に沿おうとうするユディット
「公爵もどこかでごらんになっているかもしれないですし」
と肉欲を受け入れるユディット
けれども、ユディットの違和感は増していく。
「なぜ、私は選ばれたのだろうか」と。
家を出るとき、兄の前では「私は選ばれたのよ」と選ばれた事に対しての歓喜ばかりで「なぜ?」とは思わなかった。
それが扉をめぐるうちに……
(まあ平たく言うと「え?なに、この仕打ちひどくね?つうか歓迎されてなくね?」って事だよなぁ)(笑)
「公爵はわたしをお試しになっているのでしょうか」
七つの扉、七つの罪人、数え切れないユディットの「なぜ?」、は最終的に「なぜ私は選ばれたのだろう」という疑問にぶちあたっていく。
そうして時の間での「婚儀」。
何故選ばれたのかと問いかけるユディットに「神がおまえを選んだ」と。
(ここで公爵がひとこと、ユディットへの愛を語ってやれば、物語はもう少しカタルシスを感じられたのになぁ)(つうかユディちゃんかわいそう><)
そう思うとユディット救われないなぁと思うのですが、この公爵とユディットの婚儀を縦糸するならば、そこに横糸として絡む、あるいは平行して、「ふたりの同一性」と言うの垣間見えていたちと思います。
執事は「公爵とユディット様は兄弟とみまごうほどに」と言う。その後に「それぐらいお若いと言うことです」と補足するが、この兄弟っていうのはあながち間違いではないと思っていて。
最初の邂逅で公爵の言う「おまえと私は瞼の表と裏だ」その時点ではまだ理解はしていないユディット。
けれども最初に公爵のバイオリンを聞いたときのユディットの「美しい音色…そして悲しい」。そしてはっとしたように「公爵は、今」と何かを言おうとするユディット
この後「七つの扉みせてあげるよ」に喜んでしまってその言いかけた台詞は飛んでしまうのですが(ちょっとユディット単純でかわいい)(笑)、私はここに続く台詞はこう考えていました。
「公爵は、今、孤独なのでは?」
その罪により堕とされた時の狭間の中で。
その孤独を、ユディットは知っている。
そうして扉をめぐりながら、城全体にしみわたる公爵の孤独を思うユディット。そして七つの扉に思い出されるつらい過去が、ユディットの孤独を浮かび上がらせていく。
そうして公爵は言う
「わたしはおまえで、おまえはわたしだ」
七つの扉をめぐりながら、公爵を感じてたユディットはその中で公爵との同一観というか、運命を感じたんじゃないのかなあと。
途中からこれはあこがれでも恋でもなんでもなく、ただ運命なのだと。
舞台上には、上から落ちる雫を受ける小さな池があって、いろんな場面で効果的に使われています。白い衣装に着替えたユディットがその身をうつしたり、おさえきれない憤怒がそこに顔をうずめて自殺しようとしたり。
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06月12日(火)
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