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マシンガン★リーク
by 六実
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■この梅雨を君にあげよう
・運良く雨の日に「らしゃ」に出会えたら、絶対に話しかけて。唐人屋敷の中への出入りが自由になって、同心の皆さんに売れる情報をつかめるかも。
・追加ディスクを利用すると、この「らしゃ」を中心とした18禁イベントが楽しめるわよ。
以上、長崎同心の皆さんと合コンするギャルゲーの攻略方法でした(ギャルゲー違う!)。ギャルゲーはおろかゲームもろくろくやったことないので、色々なものが間違っていると思います。じゃ、とりあえず猫耳とメイド服投入で(誰が着るんだ)(誰がつけるんだ)(軌道修正不可)。
すみません、ふざけすぎました。
反省して、ちょっと真面目にいじります。
[長崎同心日誌]
「おい、そう怒るな」
「これが怒らないでいられるか!私は帰る!」
「まあまあ、今日はあんたの為に設けた一席じゃないか」
「仕事の話かと思えば、こんなところで乱痴気騒ぎとは!」
「あんただって、嫌いじゃないだろう?」
「一緒にするな!」
こうなってはもはや手がつけられない。丸山遊郭、館岡の歓迎とばかりと一同で乗り込んではきたものの、ごらんの通りの顛末で。丸山の外れまで、途中で席をたってしまった館岡を追ってきたものの、取り付くしまもない有様で。肩をいからせて、下駄の音すらも叫びをあげるように。身体も大きければ声も大きい、それでも浮世の愉楽のこの界隈では、そんな館岡を気に止める者もなく、ただ佐藤だけがそんな館岡の背を見送っていた。
「佐藤さん」
声をかけるものがあった。
「なんだ、鈴木か」
「館岡さんは?」
「ここにいないって事はそういうことだろ?」
「ええ、まあそうですが」
ほんのり酔った顔が、苦笑した。
「お前は?なんでわざわざ来たんだ?」
「いえ、酔いを覚ましに風にあたりに来ただけで」
「なんだい、そんな理由か」
「心配してきた、と言ったところでもう意味のないことですから」
「お前、酔っているなぁ……で、旗野さんは?」
「酔っ払ってますよ。いつも通りに。あんまり絡むもんだから、姐さんたちも皆下がってしまって」
「いつも通り、か。どうせ明日になれば、館岡さんに吹っかけたことも忘れているんだろうなぁ」
「ですね」
「石浜は」
「一人で飲んでますよ」
「で、俺たちが戻ると、褌一丁で大の字になって寝ている旗野さんと、顔色一つ変えずに黙々と飲んでいる石浜がいる訳だ」
「ええ」
「戻りたくねえな」
「でも、いつも通りですよ」
「だなぁ、そうなんだよなぁ」
遠くから聞こえる三味の音にも、どこか異国の音色が混ざる。さんざめく声、声、声。
「良く言うんだけれどな、同じ釜のメシならぬ、同じ見世の妓ってね。いっしょにあがって一晩過ごせば、こうぴったりと仲間意識が生まれる、って寸法だったんだけどなぁ」
「あの人には、通じないでしょうね。そういうの」
「……最初にいえ、そういうのは」
「酔っているので」
「そうか」
いつまでも、こんなところで男二人いても仕方ないと、来た道を戻り始める二人。
「なあ、鈴木」
「はい?」
「お前、館岡さんの事どう思う」
「いい人です」
「打てば響くような答えじゃないか」
「いい人です。こうして、館岡さんの為に心をくだく佐藤さんも」
「は?」
「皆さん、いい人です。皆さん、皆いい人です」
「お前……同心にはむかねえなぁ」
「は?」
「うんそうだな、なんか客商売とかしたらどうだ?なんか呉服屋の若旦那とかさ、似合いそうだなぁ」
「何ですか、いきなり」
「お前が、『いい人』だからだよ」
照れ隠しのように、言葉を冗談にまぎれさせて。最後の言葉に、少し遅れて鈴木が顔を赤くした。このはんなりと笑う仲間を、佐藤は弟でも見るような気持ちで好ましいと思っていた。そしてきっと、館岡に対しても、自分はどこか好ましさを感じているのだろうとも。
「ま、いいか。行くぞ」
「はい」
石畳の上を、下駄の音がまろぶようにからからと、丸山の夜がふけていく。
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05月24日(火)
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