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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■お久しぶりの金城武(黄子佼)下
昨日の続きです。
お久しぶりの金城武・下
「40過ぎてぼくも痰が」
あの日に話を戻そう。
「太平輪」台北記者発表会で、舞台の反対側の端の司会者席に座っていた私は、
彼がおおらかに恋愛問題に答えているのを目の当たりにし、こう感じていた。
「3年に1度しか顔を見せなくてもOKだよ!」
その1度の機会にはっきり説明をし、適切にゆっくりと答えてくれたことで、
私の司会に1本筋が通り、心残りもあまりなく、順調に進んだのだから、超感謝だ。
要するに、私はこれまで数えきれないほどの芸能人のために、放たれた弾丸、
たくさんの耳にしたくない、あるいは答えることのできない話題をさえぎってあげてきた。
そしていつも頭を下げたり、軽い話題に紛らせて話を他にそらせる方法を考えたりして、
マスコミには「この話は……スキップしましょう!」と言って謝らねばならなかった。
だから、3年間に2度、金城武のために記者会見を司会して、
その率直な説明に感嘆したし、マスコミに合わせてくれて
イベントが順調に行われるのを助けてくれたことに感謝もしている。
もちろん、彼は聡明でまじめな大スターであることも確かだ。
あの日、こういうことがあった。
ある質問のとき、私ののどが不意につまってしまい、私は自嘲的に笑って言った。
「すみません、40歳過ぎたら、すぐ痰がからむんですよ」
軽い笑いが起こり、話題は次へと移っていった。
そのあと、金城武の発言の番になったとき、彼が話しながら、
まるで涙で声をちょっとつまらせているかのような感じがしたので、
映画に感動して泣き声になっちゃってるんですか、と聞いた。
彼は答えた。「40歳超えたから、ぼくも痰が出るんですよ!」
会場は笑いの渦に包まれた。
みなさん、おわかりですか?
司会者が舞台上で懸命にしゃべり、場をつないでいるとき、何も考えず休んでいたり、
あるいはぼうっとしたり、ポーズをとったり、おかしなことをしたりしている芸能人は多い。
私は本当にたくさん見てきた。
だから、彼らは金城武が前にあったギャグを利用して
新しい面白みに発展させたようなことは到底できない。
そのようにすれば、雰囲気は極上になり、全体として呼応する。
彼が集中して耳を傾け、それを適切に応用したことに、私は驚き、かつ温かい思いに包まれた。
特にあの、我関せずで何にも考えていない芸能人たちに向かって、私は大いに言いたい。
「実は司会者は部外者に過ぎません。
要請を受けてその場の話題を導いているだけであって、宣伝される作品は司会者とは何の関係もないんです。
だから舞台の上にいる芸能人たちがもし我関せずの気持ちでいるとしたら、実際、ほんとに変じゃないですか」
記者発表会前夜の台北プレミアに話は戻って、3年間姿を見せなかった金城武に、人々は大興奮だった。
終了後、台上の監督や主演者たちが1人1人続いて台を降り、舞台裏へと移動していった。
彼ひとりが足を止め、まだ終了の挨拶をしていた私を見つけて、握手の手を伸ばしてきた。
私たちは話をしながら舞台裏へ戻った。
このときの写真をネットユーザーが撮影し、ツイッターにあげたので、
みんな、一体何を話したいたのかと知りたがった。
あのとき、彼は、実は、私に映画を見たかどうか、どんな感想を持ったか、まじめに尋ねてきたのだった。
私は本当に感じたことを彼に伝えた。彼の目はこの上なく真剣だった。
普通、芸能人が仕事の現場で出会うと、雑談となるものだ。
だが、彼の態度から、私は彼が本当に作品の評価を気にかけており、
自分の作品に対し責任感を持っているのを感じさせられた。
これを大したことないと受け止めてはいけない。
というのは、多くの芸能人はこうした賑やかな場では、ファンやマスコミにばかり対応して、
彼らを懸命に持ち上げた司会者を振り返ってみる者などほとんどないからだ。
いわんや、挨拶をし、かつ部外者に映画の感想を尋ねる者においてをや。
だが、彼はそれをした。
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12月31日(水)
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