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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■雑誌記事(周末画報A)
続き。
ピーター・チャンがロケ現場で、子役を替えなくてはならないと怒り狂ったとき、
声をかける勇気のある者はなかった。
最高の武術者であるドニー・イェンでさえ、遥か遠くに身を隠して≠オまったが、
ひとり金城武だけが、まじめな顔で監督の前に歩み寄って、こう言った。
「監督、思うんですが、もし、本当にふさわしい子役が見つからなかったら、
子役に青い頭巾を被せて、
後でCGでそこにはめこめませんか」
その瞬間、絶対ピーター・チャンはその場で固まってしまったに違いない。
また別の日にはこんなことがあった。
金城武がつり橋を疾走するシーンの撮影のときである。
その橋は長いこと使われておらず、板はかなり腐っていて、
大道具係が修繕したとはいえ、渡る勇気のある者は少なかった。
チャン監督が「ここは走った方がいいな」とつぶやいた。
安全対策ゼロの状況で、金城武は5回もこの橋を走って渡り、
5度目にはうっかり転んで、かなりの距離を滑ってしまった。
撮影が終わったとき、ピーター・チャンが「まったく、よく走れたなあ」
と金城武に言ったので、
金城武はびっくりして問い返した。「あなたが走れと言ったんじゃないの?」
これが、金城武である。
絵に描いたような容姿の持ち主なので、
人は往々にしてそれが完璧かどうかの方に注意が行ってしまい、
その外見の後ろに隠されたものを追求する必要を感じない。
だが、いつも無視されているのは、どんなに美しい子どもであろうと、
やはり他の子どもたちと同じように、人生の問題にぶつかって答案を書いていくのであり、
美しいからといって、普通の人が書かねばならない基本的な答案を、
別のものに変えることを選べるわけではない、という事実である。
撮影班付きの調理師は、ピーター・チャンの3本の映画撮影に同行したが、
「『如果・愛』の撮影のときは、みんな彼とは初めてて、彼のアシスタントも新人だったから、
私たちはそのアシスタントを騙して=A彼に料理をつけてやらず、弁当だけ渡したんです。
彼は何も言わずに、渡されたものを食べてました。
あるとき、彼が車から降りてきて見つけて、
『ええ? こんなにおいしそうな魚香肉糸(四川料理です)を、
なんで食べに来なかったんだろう?』って。
みんなおなか抱えて笑っちゃった。
まじめな人をいじめ≠ソゃいけないから、それからはいつも魚香肉糸をあげましたよ」
調理師は、まじめな人≠ェからかわれ≠スひとくさりをとうとうと語った。
「最初、彼にご飯を茶碗にすりきりいっぱいあげたんです。
食器が返ってきたら、空っぽになってました。
明日はもう少し増やしてあげなくちゃと思って、次の日、ご飯をひとすくい多く盛ったら、
やっぱり米一粒も残さないで戻ってきたの。
3日目、もうひとすくい増やしたのに、やっぱり空っぽ。
でも、彼のアシスタントがこらえきれずに言ったんですよ、
すみません、ご飯はほんとに、あんなに多くなくていいんです、
彼はすごく苦労して食べてるの」
これは多分天秤座だからで、冗談は苦手なのだ。
他人にからかわれても、いつもこのようにまじめに対してしまう。
5月、「武侠」は唯一ノミネートされた中国語映画として、
世界最高クラスのレッドカーペットを踏んだ。
ドニー・イェン、タン・ウェイ、金城武をネットユーザーたちは甄唯武<gリオと呼んだ。
さらにピーター・チャンを加えると可甄唯武(実に威風堂々)≠セ。
カンヌの海辺での記者会見、プレミア、パーティー、インタビュー――
熱狂の3日間の予定が終わり、みんながやっとひと時の自由を得た。
サンドラ・ンがちょっと飲み会をしませんかと提案すると、人々は喜んで応じた
ドニー・イェンは夫人の汪詩詩を伴い、ヒーロー≠フ上着を脱いで
普通の人≠フ服に着替え、ろうそくの光の下の晩餐を楽しみ、
タン・ウェイは断然おえらいさん≠フお気に入りで、
美術総監督のハイ・チョンマンから衣装指導の呉里璐までが
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08月24日(水)
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