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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■ピーター監督インタビューから(新京報)
「武侠」がいよいよ中国大陸で4日に公開されました。入りも上々のようです。
山のような関連記事の中に、面白いものもいくつもあります。
今回は、やはり3度目の仕事ということで、理解がより深まっているのでしょうか、
監督の武に関する見かた、2人の関係などが、前よりずっと2人の言葉や
周りの人の観察に現われてきていて、そういう意味で非常に興味深いですね。

これは、新京報によるピーター監督へのインタビューで、
全部訳してみたいと思っているのですが、相当に長いので、
とりあえず、金城武に関して話されている部分だけ、2か所、取り出しました。


(前略)
金城武は傷つくのが怖い

――今回の金城武はとても素晴らしいですね。3度目の仕事ですが、お気に入りでしょう?

ピーター・チャン 金像奨のときになったら、見てごらんなさい。
姜文は「投名状」を見たあと、言ったんですよ、3人の中で一番心をとらえられたのは金城武だったと。
なのに、彼は金像奨でただ1人ノミネートされなかったんです。

――しかし、金像奨が良し悪しの評価の唯一の基準ではないですよね。

ピーター その言い方は間違いじゃないけれど、
ぼくらは金像奨選考委員はぼくらと好みが一番近い人たちだと思ってる、
同類の人間からそういう判断をされるのが、ぼくにとっては打撃が一番大きいんです。

――金城武も、ずっと自信がないと自分で言っています。
受賞によって認められたことがないことと関係があると思いますか?

ピーター 彼はインタビューを受けるたびに自信がないと言っているんですよ。
それは本当です。本当に自信のない人なんですよ。
彼は非常にハンサムで、多分今まで会ったことのある中で一番ハンサムな男性です。
ハンサムな男を憎たらしく思う人もいます。
ところが、金城武は人に憎まれたり嫌われたりすることがない。
その原因はまさに、彼の自信のなさにあって、そういう自信のなさが男にも好かれる人にしている。
ぼくが一番最初に彼に惹かれたところでもあるんです。
ハンサムな男でこんなに愛すべき人を見たことはありません。

彼は同時に自分を上手に守る、非常に傷つくことを恐れる人でもあります。
どんな経験をしてきたかは知りませんが、多分若いころから、あまりに周りの人に守られてきた、
あるいはおべっかをつかわれてきたのかな?
実は、名前が出るようになると、必ずおべっかを言われるようになります。
でも、ぼくらは経験から、そういう話は信じてはいけないとわかるんですが、
子どもの頃からおせじを聞いてきた人間の場合、それが安心感をよりなくさせることになります。
誰の言うことが本当かわからないのですから。

(中略)

――既に「血滴子」や「等待」など何本もの新作計画が公にされていますが、
次の映画は一体何になる予定ですか?

ピーター 難しいですね、どれが一番早く準備ができるかによるでしょうね。
金城武との仕事が1本あって、明朝末から清朝初めの時代を背景に、
父子の恩讐愛憎の物語です。
国家や民族の理想、王朝の転換などとも関係があり、大変壮大な題材です。
王~玲(ワン・ホイリン、「飲食男女」「グリーン・デスティニー」の脚本家)の脚本です。
これまでぼくの映画はどれも、撮りながら脚本を直してきましたけれど、
この脚本は、今までぼくが見た中で、撮影に入る前の状態で最良の脚本です。
金城武が息子役で、
自分の老父をこの世で一番憎んでいる息子であり、歴史上有名な人物でもあります。
ぼくにとっては、どこか「ゴッドファーザー」の感じのする映画ですが、マフィア物ではありません。
もし撮影するとなったら、「武侠」の2倍から、ひょっとして3倍の製作費になるでしょう。
今はとても疲れているので、次の映画がこの作品かどうかはわかりませんが、
来年中にはクランクインします。

その前に、先に中影と合作の映画を先にとりたいなと思っているんです。
1990年代を背景にした、コメディーです。
実はこの映画はぼくにとって、とてもリスクが高いんですよ。

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07月05日(火)
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