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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■金城武をセールスするB
金城武をセールスするB

3 ウイルス作戦・・・どんな遠方にも素早く広める

最近5年間で最も普及のスピードが速かったサービスは、フリーメールである。
このメディアは取得が非常に簡単で、ネットを媒介に迅速に、
また大変便利にメッセージを送れるため、ものすごい勢いでユーザーを獲得した。
それはあたかもウイルスが増殖拡散していくかのようであった。
hotmail社は急成長し(後にマイクロソフト社に買収されたが)、
フリーメールは多くのプロバイダの基本サービスとなった。

有名人を宣伝に使うことは、ウイルスを売るようなものだ。
商品情報を有名人というメディアを通して送り出す。
その有名人の知名度が上がれば上がるほど、市場を動かす力は大きくなる。
世新マスコミュニケーション学部教授の柯裕棻の分析によれば、
これは流行が誘発する欲望経済で、消費者の購買欲はその商品の性能ではなく、
誰が宣伝しているかによってかきたてられる。
逆に消費者の側の憧れがそこに投影される場合さえあるという。

1998年、東京を走る電車の車内広告には金城武の生き生きとした澄んだ大きな瞳があり、
背広に身をかためたサラリーマンたちに、英語を勉強しなければと呼びかけていた。
そして2001年の台北駅。
金城武はここでも四連の巨大なライティング看板を占領し、
都会人に向かってすばらしい携帯「数位助裡」機を持とうよと誘いかける。

エリクソンのキャラクターで強い印象を与える

エリクソン消費性産品部副部長・葉順発は回想する。
2年前エリクソンは携帯電話の外観に少し手を加えてみたが、消費者への印象は薄かった。
そこでイメージキャラクターを立てるという、
携帯電話の今の流行に合わせたプロモートをすることになった。
では、一体誰に? 
葉順発は広告会社と検討を始めてまもなく、金城武だ、とひらめいたという。

金城武のイメージをしっかりと売り込み、商品の売り上げ増へと導くために、
エリクソンは業界で初めてCMビデオをカラオケボックスのリストに載せた。
ビデオのリクエストは2週間で60万件にのぼった。
一方、トータルな販売戦略を試みて、福隆と協力し、
そのメディアにおけるつてを通して芸能界方面での活動をやりやすくした。
金城武とエリクソンとの関係を「持ちつ持たれつ」の、
相互にイメージを高めあう関係に持ち込んだのである。

最近、インターネットのライコスは、金城武の豊富なイメージ性に着目して、
イメージキャラクターに彼を起用した。
ゲームソフトメーカー、カプコンは、金城武の顔と声を借りて新作「鬼武者」を作った。

数多くの異なるジャンルで、また異なる国で、金城武はどこでも高い評価を勝ちえている。
一定の型にはまらず、市場とは常にある近しさとある距離とを保ち続けることで、
彼は自在にあちこちを渡り歩き、
ウイルスがばらまかれる速度と範囲はますます増大する。

柯裕棻はこう指摘する。
どこか神秘的な感じと親近感との両方をあわせもつ金城武は、
消費者にとってはいくら金があろうと決して買うことのできない商品となっているのだと。
「300元の品と3万元の品と、買うという行為は同じでも、心の中に占める位置は違う」

氏は、このあいまいな、とらえがたい距離感のおかげで、
金城武は商品ごとに常に新しいイメージを提供することができる、と見る。
消費者は商品を買うという行為を通じて、金城武とつながっているという満足感を味わう。
だからこそ、1999年にハローキティと並んで「動脳」誌の10大ヒット商品に選ばれた金城武が、
キティブームが去った後も、依然として魅力を発散し続けているのである。

この世に不可能ということはない、
バイクに乗ったらスターになってしまったなんてことだってある。
アーロン・クォックと金城武を見よ。  (完)


(注)
「二千年の恋」が同時放送されたのは、実際は本文中の6ヶ国からマレーシアを除いた5カ国。
しかし、台湾などの新聞では開始前、ずっと6カ国と報道されていたので、

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03月08日(日)
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