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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■ピーター・チャン、涙を流すC
この記事、あと1回。


「投名状」の最初の予算は8000万元
金城武を主演にしたかった

音楽時空 あなたが、「投名状」の撮影中、プレッシャーが大きくて、
途中で放り出したことがあるという報道がありましたが。

ピーター そういう感じでしたけど、本当に放り出したわけではありませんよ。
ぼくは取り乱すことがめったにない人間なので、撮影現場で怒ることもほとんどない。
人を罵る者のほうが、罵られる者より恥ずかしいと、常々思っていますし、
現場をほったらかしてしまったら、結局貧乏くじ引くのは自分ですよ。
戻ったとき、すごく気まずいでしょう。

音楽時空 「投名状」であなたは気落ちしたそうですが。
今までのところ、まだ儲かっていないので。

ピーター 損してるとは言えません、まだ上映されていないところが
たくさんありますから。
今、基本収支はややマイナスというところですが、
北米がまだどこも上映されていない。交渉中です。

音楽時空 なぜ、今日に至るまで遅遅として上映されないのですか?

ピーター 中国語映画が既存の固定されたイメージから抜け出ようとすれば、
必ずこのようなこのような状況に直面することになるだろうとは、
実は最初から意識はしていました。
ぼくの映画がどんなに出来がよいかなんて言えないけれど、
しかし、これはジェット・リーの演技が最も深みのある映画だとは思っています。
「投名状」は芸術映画ではないが、伝統的な意味でのカンフー映画では、もっとない。
成熟した映画市場では、作品が良ければ良いほど、
商業上の障害も大きくなるでしょう。
もちろん、この「良い」というのはヴィジュアル的な良さではなく、
芸術としての質の良さです。
ですから、このカセを破ろうとするからには、
冒険をせざるをえないというわけです。

音楽時空 あなたのおっしゃる冒険とは、ジェット・リーを長兄役にしたことですか?

ピーター ジェット・リーを、従来のジェット・リーの役とは違う映画に出演させたことです。
外国の観客と国内の観客では視点が違い、
中国のカンフー映画がアメリカのメイン市場に参入しようとするなら、
必ず従来の決まったタイプに合ったものでなければならない。
少数派向けの文芸映画でない限りね。
しかし、少数派向けの文芸映画は、確かにジェット・リーが出るようなものじゃない。
だから、こんなやり方は、絶対冒険になりますよ。

音楽時空 どうして冒険しなくちゃならないんですか。
伝統的なやり方で撮らないんですか?

ピーター もし、伝統的なやり方でやるんなら、多分ぼくにやらせちゃだめでしょう。
ぼくはそういう監督じゃないですから。
実際、今回の「投名状」の撮影は、ぼくにとっても、中国映画にとっても、
冒険でしたが、どちらもこの危険を冒したかった。
もし、この方式が北米で成功したら、中国映画の行く道は広がり、
いつまでも空中を飛び回っていなくてよくなるわけですから。
「投名状」はアジアでは空前の成功を収めたと言っていいし、
ヨーロッパでも売れ行きは良かった。今最もカギとなるのが北米です。
きっとジェット・リーのカンフー映画より高くは売れないだろうことは、
ぼくらはわかっている。だって、カンフー映画じゃないし、
それどころかアクションシーンも少ないんですから。

音楽時空 ジェット・リーを使わないで、費用を安くしようとは思わなかったんですか?

ピーター 本当言うと、俳優はぼく1人で選んだわけじゃない。
もし、ジェット・リーがこんな多額のギャラに値しないなら、
どうして出資者が金を出しますか。
実は、最初は、こんな大作に撮ることになるなんて思ってもいませんでした。
当初の予算は1000万米ドルで、金城武を長兄役に、
その他をニコラス・チェーなど、もっと若い俳優を使うつもりだったんです。
ところが出資者は脚本を見て、若手俳優では重みが足りないと感じた。
この重みというのは集客力ではなくて、ああいう男らしさが不足だということです。

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02月17日(火)
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