ID:23473
武ニュースDiary
by あさかぜ
[6277933hit]

■哲学青年阿武A
哲学青年 阿武A

別にただの偶然かもしれないが、仏教の教えに照らし合わせると、
リー・リンチェイや金城武のようなかっこよく、運勢も良好な大スターは、
良い報いを得ている人たちということになる。
きっと前世でも仏の教えを信奉しており、
現世で期せずして仏教に近づくのは、
ただ過去への回帰ということなのだ。

金城武はこのように語っている。
「密宗を信奉するようになって、いろいろな人生や生活の捉え方に、
違った見方ができるようになりました。
前よりももっと楽観的に、縁に従うようになりました」

金城武のファンなんかでは全然ない、ある男性記者が
上海のポトマック劇場で金城本人を見たときの第一印象が「明るさ」であり、
第二印象が「自然な」という形容詞であった、というのもむべなるかな。

欲望と思い込みのメガネを外して彼を見れば、
1人の気持ちのいい、健康な青年なのである。
吸い込まれるような瞳だって? 致命的に魅力的な微笑みだって?
……あなたは、自分が壮大なRPGの世界に
いるつもりになってはいないだろうか?

そのように心のよりどころを持ち、
秩序と理想と文化のある生き方をしている、
こんな優れた人間であるアイドルに、誰が文句をつけられるだろう。
一つだけもっともな心配は、彼が、ひょっとしていつの日か、
リー・リンチェイのように、出家するというニュースを
聞くことになるかもしれないということだ。

幸い、仏教は大変実際的な宗教なので、一番やさしい方法で教えを広め、
できるだけ多くの人を啓発して救うということができうる。
金城武の密宗の師は、彼に芸能界に留まるよう諭すはずである
――「スパイダーマン」中の名言、
「能力が大きければ大きいほど、責任も大きくなる」は、
表面的に見れば矛盾しているこの道理をうまく説明するものだ。

であるから、リー・リンチェイは
時々、青海やチベットにしばらく修行に行くことがあっても、
やはり俗世間にとどまって、終生修行をすることを選んでいるのである。
世の辛酸を経験した面持ちで、中年の武人を演じつつ、
その武侠映画路線を歩み続ける。

同じように密宗を信じるフェイ・ウォンもまた、
芸能界の第一線で戦っている。
恋を楽しみ、マージャンをし、歌を歌い、引退の意思は全く見えない。
金城武はその外見と年齢とから、なおさらのこと、
ラブストーリーの主人公を演じ続けたり、各種様々な、
はでやかな世界の商品キャラクターを務め続けたりしているわけだ。

だが、気の毒なのは、彼の顔立ちと瞳にやられてしまった女や男、
つまりあなた方である。
あなた方はこの天秤座のアイドルが、もしかしたら、
春の夜、ベッドにダイアナがいながら、高邁な書物に熱中していた、
チャールズ皇太子と同じかもしれないと知っているのだろうか?
民衆のアイドル金城武が、夜、明かりをともしつつ、
生と死を論ずるチベット密宗の書物を読んでいるなど、
想像できるのだろうか?

彼は言っている。
「今、心から願っていることは、
もっとプライベートな空間が欲しいということ」

もしかしたら、彼はそのプライベートな空間を
毎日4時間座禅を組むのにあてるかもしれないし、
西方の美しい世界を瞑想したりするのかもしれない。
誰も知りはしない。
金城武のプライベートな部屋に入った者はいないし、
私だってあてずっぽうをしているだけなのである。(完)
(芭芥・文 2005.4.14)


BBS  ネタバレ(お誕生日企画設置)。  1日1回! ★ 23:30
10月09日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る