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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■夢を追う歳月@
1996年に初版の『逐夢歳月』という台湾で出版された本があります。
既に名を成した人々へのインタビューで、
テーマは「夢はいかにして実現したか」。
マスコミの人間が2人、芸能界が6人。
その1人が金城武です。
その他は、ジェット・リー、チャーリー・ヤン、伊能静、ウー・シンリン、
監督のアン・リーです。
何回かに分けます。
金城武○天使になりたいと努力する悪魔@
天秤座の男
「自分はどんな人間か――」
時がゆっくりと刻んでいた。
「それは……あの……ええと……」
鼻にきゅっとしわを寄せ、空気を吸い込む。考え込む。
――『男はみんな同じ』という言葉を聞いたことがある?
いぶかしげな目がこちらを向く。
――あなたはそう思う?
答えは返らない。いいだろう、それが天秤座の男だ。
鼻にしわを寄せて、さらに考え続ける。
「でも、みんながみんな、同じとは限らないと思います」
と、少し姿勢を変えた。
「ぼくは、その、みんな同じ男の部類に入るのかもしれません」
ある種、含みのある言い方だ。
「だけど」と笑った。
「めったにいない方の人間になる方がいいです。
ぼくは、自分は悪魔だと、天使になりたいと一生懸命な悪魔だと思います」
すっきりした結論と複雑な心を行き来するのは、非常に金城武的な感覚だ。
金城武のインタビューは、彼が1日中びっしり仕事をした後に行なわれた。
彼は少々痛む頭を抱えて、濃密な時間を突っ走った。
表情はいつもの通り、遠慮なく大笑いしたと思えば
静かに考え込んだりしていたけれども。
彼はとても直裁だ。直裁と言っていいだろう。
質問に答える前、彼は普通問いを繰り返し、
それから答えにたどりつくけれども、
たいていある不確定な語調が交じるのだった。
たぶん……そのはず……かもしれない……
そして知っているかどうかについて、自我と観念の問題について、
ひねって隠そうという意図はないのだった。
一種の誠実で純心な真実なのだ。(続く)
(『逐夢歳月』1996年初版)
天使になりたいと思う悪魔、という、大陸の記事によく出てくるフレーズは、
これが出所なんでしょうか。
文章がすごく凝った書き方をしているので、うまく伝えられないかも。
話は変わりますが、中国の「反分裂法」に反対する
台湾の3月26日の100万人デモについて、
台湾の知人はメールで、あまり効果がないと思う、と書いてきました。
このデモは、世界のマスコミを通じて、
台湾が独立国家であることをアピールするにとどまり、
実際は、世界の強国はみんな中国の顔色をうかがわざるを得ない、
中国がある限り、台湾にとって国際世界に居場所はないと感じると、
彼は言います。
そして、中国は台湾を手に入れようと、心を決めたのであり、
後は時間の問題だと、
早ければ10年のうちに、遅くても数十年後には行動を起こすだろう、
何よりも願うことは、戦争が起きないこと、
それに比べれば、他のことはどうでもいい、との言葉に胸がつまりました。
不安も大きいです。
政治上、中国の顔色をうかがわざるを得ないというのが本当だとしても、
しかし、自国の世論もまた無視はできないもののはずです。
日本にいてできること、例えば台湾との文化的・経済的交流を深め、
大事な国とすること、武力行使は絶対に認めないという世論を作ることで
一助となりはしないでしょうか。
BBS 3:30
03月28日(月)
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