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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■北京でのインタビュー(2004年)A
3監督を語る
ウォン・カーウァイの影響は大きい
ジョニー・トー、ウォン・カーウァイ、そしてチャン・イーモウは、
金城武の映画キャリアを築き上げる助けをしたと言うことができる。
この3人は、彼の芸能人生において非常に重要な役割を演じた。
「ウォン・カーウァイがぼくに与えた影響は、それはそれは大きかった。
ぼくは映画出演3作目で彼に出会いました。
映画に対する興味を起こさせてくれたのが彼で、
その後、ぼくは映画を選んで音楽を捨てるんです」
そして続けてこう語る。
「ウォン・カーウァイのが映画を撮るとき、その空間には何もないし、
何をしてよいかもわからない。
けれど、逆に何をしてもいい。何でも試すことができる。
だから素晴らしい効果が得られるんです」
彼が「恋する惑星」でパイナップルの缶詰を食べるシーンが、
人々に深い印象を残したことに、疑いの余地はない。
「ジョニー・トーとは、3回映画の仕事をしていて、
『ターンレフト ターンライト』が3作目でした。
彼はいつも新しいことを試していて、ちょっと見はみんな同じだけど、
進歩しているし、アイデアが非常に広い。
もちろん、彼の作品は商業性が強いけど、個性的です。
彼はとても男らしいと思えることもあれば、
すごく子どもっぽいところもあるんですよ」
チャン・イーモウ監督と初めて仕事をして、彼からは学ぶところが多かったと語った。
「映画に対する熱情や、演技を指導する態度、
大作であんなに多くの人を指揮する力を見て、敬服しました。
それに彼の作品を見たら、わあ、みんな違う! と思うでしょう」
愛と痛さがこもごもの「LOVERS」
激しいラブシーンに気まずい思い
はにかみ屋の金城武だが、「LOVERS」ではチャン・ツーイーとの
雪景色の中での熱いラブシーンがあった。
「あのシーンは、本当にやりにくかったですね。
だってお互いよく知らないんだもの(笑)。
もちろん、知り合いだとしたって気まずいけれど。
この種のシーンは、ぼくにとっては演じにくいシーンです。
だって、恥ずかしがりの方だから。どの程度までやっていいのかわからない。
熱くやりすぎたら相手はどう思うか心配だし、
控えすぎても、なんでちゃんとやらないのよと思うかも知れないと気になって」
落馬は忘れられない
「LOVERS」出演が、金城武にとって、
かつてない大挑戦だったことは確かである。
大侠を演じきるために、彼は剣を学び、刀を練習し、
はるばるウクライナまで赴いてロケをした。
人々を最も驚かせたのは、金城武の撮影中の落馬である。
「あんなに重い怪我だったとは思いませんでした。
落馬したときは、呼吸が苦しいとだけ感じていて、
あとになってどういうことになったのか知ったんです」
だが、これらの苦難も決して彼を萎縮させることはなかった。
かえっていっそうの成長をもたらしたのである。
ツーイーとアンディに感服
この映画の2人の出演者とは初めての共演だった。
チャン・ツーイーは現在人気絶頂、アンディ・ラウはさらに言うまでもない。
金城武の目に映った彼らは、どのようなものだったろうか?
「2人のまじめな仕事ぶりにとても感服しました。
それに目指すところが高く、シーンが終わるごとに、
いつも監督にもう1回やらせてほしいというんです。
もっといい芝居をやりたくて。でも、ぼくは違いますよ。
監督がいいといったら、それでいいと思います」
後記
金城武をたずねたときは、スキャンダルで言われていた日本人男性の姿は
見えなかったかわりに、2人の女性が左右に座って「監督」をしていた。
この日、金城武の機嫌はことのほか良く、
インタビュー中もたびたび魅力いっぱいの笑い声をあげていたし、
ときには無意識の子どもっぽい仕草が見えたりもした。
記者が、落馬した瞬間、何を思ったかと尋ねると、
彼は頭の後ろをかきながら、恥ずかしそうに言ったのである。
「泣きたいと思った!」
みんな大笑いした。
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02月13日(日)
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