ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[256520hit]
■鳩山政権:高速料金でも右往左往
1 、社説:論調観測 高速料金混迷 政権へのあきらめ投影
毎日新聞 2010年4月25日
2、社説:論調観測 高速料金混迷 政権へのあきらめ投影
毎日新聞 2010年4月25日
3、社説:高速料金混迷 右往左往にうんざりだ
毎日新聞 2010年4月24日
社説1の通り、高速道路の料金制度の見直し問題は、再見直しを求める小沢一郎民主党幹事長と、否定する前原誠司国土交通相との対決の構図が鮮明となってきた。値下げの財源を道路建設に回せと指示され、その通りにしたら、今度は、値上げになるから改めろと言ったという。小沢幹事長の要求に前原誠司国土交通相は「二律背反だ」と批判する。
高速道路料金が6月から変わる。「休日上限1000円」など現行の割引を来年度にかけてほとんど廃止し、曜日を問わず普通車を「上限2000円」にするなど、車種別の上限を設けることが柱だ。しかし、この新制度はおかしい。「近距離は割高、長距離は割安」という格差に合理的な理由がないと思う。
毎日の社説「高速料金混迷 右往左往にうんざりだ」に代表される論評が多い。鳩山政権の迷走劇に新たな一幕が加わった。高速道路の料金制度の再見直し問題だ。国土交通省が策定した料金制度に与党内から異論が噴出した。そこで、政府・民主党は首脳会議を開き、再度見直すことを決めた。もちろん、鳩山由紀夫首相も出席してのことだった。ところが、その後、鳩山首相と会談した前原誠司国交相は、再見直しを否定し、鳩山首相もこれを認める発言をしている。まさに、「右往左往にうんざりだ」と言われても仕方のない混迷ぶりである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 、社説:論調観測 高速料金混迷 政権へのあきらめ投影
毎日新聞 2010年4月25日
高速道路の料金制度の見直し問題は、再見直しを求める小沢一郎民主党幹事長と、否定する前原誠司国土交通相との対決の構図が鮮明となってきた。
値下げの財源を道路建設に回せと指示され、その通りにしたら、今度は、値上げになるから改めろと言う。小沢幹事長の要求は「二律背反だ」と、前原国交相は批判する。
限られた財源の中で、無料化と建設の両立は不可能だ。小沢幹事長の「ちゃぶ台返し」に憤るのは当然だろう。
一方で、国交省が建設に回す資金は、東京外環道など都市部が主体で、それに対する反発も背景にあると指摘されている。
ただ、無料化を掲げながら、実際には値上げというのでは、夏の参院選は戦えないという声は強い。選挙に不利なことはしないという基本線からすると、小沢幹事長が再見直しを求めたのは当然ということになる。
いずれにしても、民主党内の小沢対反小沢の構図が、高速料金問題を介して熱を帯びてきたわけで、この駆け引きの行方が注目されるところだ。
もちろん、この鳩山政権の迷走について、各紙社説は厳しく批判している。
冒頭部分を抜粋してみる。読売は「政府・民主党の政策決定が、またしても混乱している」、産経は「鳩山政権のたががはずれ、統治能力に重大な疑問符がつけられている」と、通常の表現で始まっている。
しかし、朝日は「またか、である」、毎日は「鳩山劇場の迷走劇に新たな一幕が加わった」、日経は「『高速道路料金を見直す』との決定を見直すという方針を見直す」−−というような具合だ。
受け流したり、皮肉交じりの表現から感じられるのは、迷走が続く鳩山政権に対し、まともに注文をつけても仕方がないという雰囲気だ。
文中には、「いい加減うんざりさせられる」(朝日)、「またかというより、うんざりというのが、正直なところだ」(毎日)、「もはや政権の体をなしていない」(日経)という文句がさしはさまれており、そうした雰囲気を補強している。
政権交代をめぐって論調は分かれていた。どちらかというと、是としてきた方の社説に情緒的な表現が目立つのは、鳩山政権に対するあきらめが投影されているからではないだろうか。
[5]続きを読む
04月26日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る