ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■外国人看護師 締め出し試験の愚かさ


社説:外国人看護師 何のため受け入れたのか
2010/04/15付 西日本新聞朝刊
社説:外国人看護師 締め出し試験の愚かさ
毎日新聞 2010年4月15日 

 インドネシアとフィリピンから受け入れている看護師候補者が254人受験して、合格はわずかに3人だ。日本人の合格率は毎年90%近くに達するのに、合格率1%というのでは、あまりに門が狭すぎる。外国人看護師の締め出し試験の印象を与える。大半が合格できずに帰国することになれば、何のために受け入れたのか分からない。

 インドネシア人候補者は08年8月から、フィリピン人は09年5月から受け入れ始め、これまでに看護師候補約360人、介護福祉士候補約480人が来日している。看護師候補360人は自国で看護師資格のある人々なのである。
日本の高齢社会は加速度的に進むなかで、看護や介護の現場に外国人専門職の力を活用するのは、時代の要請でもある。

 資格試験に落とすために、かれらを受け入れているのではないはずだ。毎日の社説を引用して置きたい。「看護師を目指す外国人に対する日本の国家試験はまったく合理的配慮に欠けている。高齢化が急速に進んでいく一方で、就労人口は減っていく。外国人看護師にたくさん来てもらわなければ困るのに、いったい何を考えているのか」


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社説:外国人看護師 何のため受け入れたのか
2010/04/15付 西日本新聞朝刊

 経済連携協定(EPA)に基づいて、インドネシアとフィリピンから受け入れている看護師候補者のうち3人が今春、看護師国家試験に合格した。
 合格者が出たのは2008年の受け入れ開始以来、初めてである。
 本人たちの努力と、受け入れ先の病院の親身の支援が実を結んだことは素直に喜びたい。しかし、「良かった」とばかりは言えないのが現実だ。
 合格したのは254人受験して、わずかに3人だ。日本人の合格率は毎年90%近くに達するのに、合格率1%というのでは、あまりに門が狭すぎる。
 昨年も第1陣として08年に来日したインドネシアの82人が試験に挑んだが、合格者はゼロだった。九州で研修中の候補者はまだ1人も合格していない。
 理由は、はっきりしている。日本語の壁だ。受け入れ先の病院で先輩看護師らが日本語を教えてはいるが、褥創(じょくそう)、誤嚥(ごえん)、仰臥位(ぎょうがい)といった日本人にも難解な漢字の意味を、来日2―3年で外国人が理解するのは容易ではない。
 もちろん医療現場では、医師や同僚看護師らとの迅速かつ正確な意思疎通が必要だ。そのための日本語の能力は欠かせない。資格取得試験が厳格なものでなければならないのは当然だろう。
 しかし、考えてみたい。来日した研修生たちは自国ではみな看護師資格を持ち、実務経験もある人たちだ。
 相手国からの労働市場開放要求もあっての受け入れとはいえ、少子高齢化に伴う日本の医療や介護の現場の要員不足を補うために受け入れたという側面も忘れてはなるまい。
 その人たちに、半年間は日本語研修費を政府が負担するが、その後の日本語習得や試験対策などの支援は受け入れ先の病院や施設に委ね、3年以内に合格しなかったら帰国せよ、というのだ。
 大半が合格できずに帰国することになれば、何のために受け入れたのか分からない。国際社会から日本の労働市場の閉鎖性を指摘されるだけではない。「使い捨て」と非難されかねない。
 政府は協定の趣旨に沿って、受け入れの制度と政策を大幅に見直すべきだ。本人や受け入れ先の努力に寄り掛かっている現状を改め、日本語習得教育や受け入れ先支援を充実させるほか、検討を始めた滞在期間の延長による受験機会増などの早急な具体化を求めたい。
 試験のあり方も見直したい。設問の漢字に振り仮名を付ける。辞書持ち込みを認める。試験問題はもちろん日本人と同じであるべきだが、そうした柔軟な対応は次回試験からできるはずだ。
 日本の高齢社会は加速度的に進む。看護や介護の現場に外国人専門職の力を活用するのは、時代の要請でもある。

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04月16日(金)
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