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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 日銀総裁空席:政治の深刻な機能不全

 5大新聞の社説が総て同じ問題を取り上げるのは珍しい。それだけ日銀総裁空席の問題は大きな問題なのだ。少なくとも日本銀行総裁のいすが空席になったことは、前代未聞の異常事態なのである。

何よりも、日銀総裁という重要な人事が決められないという事実が、「必要な政策決定ができない福田首相」と言う烙印を押された感じである。この問題で民主党を批判する論調もある。しかし、福田首相自身が日銀総裁の人事問題の早期決着を図らなくてはならない。総裁人事案を、改めて練りあげ、野党の理解を得る努力が必要なのではないか。

多くの視点は社説の通りであるが、日銀総裁も決められない政治の機能不全は深刻である。加えて今月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率の成立のメドが立たず、4月以降、ガソリン価格や予算執行面で大混乱が予想される。いったい、この国の政治はどうなっていくのだろう。


混迷政治―福田さん、事態は深刻だ
                  2008年3月20日 朝日新聞社説
日銀総裁人事 一日も早く空席を埋めよ
            2008年3月20日・読売新聞社説
日銀総裁空席 政治の罪はきわめて重い
                2008年3月20日毎日新聞社説
総裁空席が示す政治の深刻な機能不全
       2008年3月20日経済新聞 社説
日銀総裁空席 日本がつぶれてしまう 
            2008年3月20日 産経新聞社説

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混迷政治―福田さん、事態は深刻だ
                  2008年3月20日 朝日新聞社説
 日本銀行総裁のいすが空席になった。世界経済が揺れるなか、前代未聞の異常事態である。
 直接の引き金をひいたのは民主党など野党の反対だ。参院の採決で、元大蔵事務次官の田波耕治氏の起用に同意しなかった。だが、そもそもの原因は福田首相の手際の悪さにある。
 民主党の対応には首をかしげるところがあったにせよ、同意を得られる人事案を出せなかった結果責任は首相が負わねばならない。2度も失敗した見通しの甘さが自らの首を絞めてしまった。
 振り返れば、福田氏が首相になってからのこの半年、政治の停滞ぶりは目を覆わんばかりだ。
 前半の3カ月余は、インド洋での給油活動の継続・再開の問題に費やされた。後半の3カ月は、ガソリン税の暫定税率と道路特定財源をいかに死守するかにきゅうきゅうとしている。政治はほとんど前に進んでいないのではないか。
 年度内に決着させるはずの道路財源の問題は、あと10日ほどしかないのに野党との修正協議はまだ始まってもいない。「国民生活は混乱させない」と言っていたのに、結局、時間切れで4月からガソリンの値段が下がる公算が大きい。衆院での与党の多数を使って、再び増税するつもりなのだろうか。
 「日銀総裁の空白は許されない」と言いながらしくじったのと、まったく同じていたらくになりそうだ。
 悪いのは参院で足を引っ張る野党の方だ、と首相は言いたいのだろう。だが、それは政権を引き継いだ時から覚悟すべき現実ではなかったか。
 参院で多数を失った以上、かつてのようにことが進まないのは当然だ。ある戦線では大胆に兵を引き、別の戦線では徹底的に持ちこたえる。そんなメリハリの利いた戦略判断が大事なのに、この政権にはそれがほとんど感じられない。
 迷走ぶりでは民主党も負けていない。
 小沢代表が大連立に色気を見せたかと思えば、今度はあらゆる課題で政府与党との「対決」を叫び出す。日銀人事をここまでこじれさせた一因には、武藤敏郎副総裁の昇格に同意するかで揺れた党内事情もあったのではないか。
 日本の政治はなぜ、こんなことになってしまったのか。この異様な行き詰まりを打開するには衆院の解散・総選挙しかないのではないか。そんな思いを抱く国民は多いに違いない。
 福田内閣が発足した日、私たちは「1月解散のすすめ」と題した社説を掲げた。首相はできるだけ早く国民に信を問い、政権の正統性を確立しなければ、自信をもって政治の運営には当たれまい。そんな趣旨だった。

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03月21日(金)
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