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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■児童養護施設の職員の低賃金。
介護施設などで職員による高齢者虐待が問題になっている中、児童養護施設などでも職員による虐待が頻繁に起きているという。厚生労働省が9月25日に開催した社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会の委員から「職員による虐待はどの施設で起きてもおかしくない状況」「待ったなしの状態で危機感を感じている」といった意見が出されているのだ。
児童養護施設は、親の虐待などにより家庭で暮らせない子どもを社会的に養護する施設なのだ。親の虐待などで施設に収容され、ここで又虐待を受けたのではたまったものない。原因の大半は人の質のようである。
吉田恒雄委員(駿河台大法学部教授)は「民間企業や公務員と比べて、家庭を持てるような給与だろうか。ここが確保されないと人材の確保は難しい」と指摘している。ともかく、施設で働く人たちの給料が安いのである。
財団法人介護労働安定センターが06年に実施した大規模な調査では、介護職員の1ヵ月の平均実賃金は17万2,600円。支払い形態別にみると、月給者は20万500円、日給者は14万400円、時間給者は10万7,000円なのだ。特定財源他で道路で10兆円近いお金を使う国家が、介護職員にこの程度の給料しか出せないシステムを作っている。官僚は「お前たちはこの程度の仕事しか出来ないのだろう」というような蔑視の思想が潜んでいるのではないか。政治家はこの低賃金について見解を述べよ。
職員の児童虐待を防止できるか
介護施設などで職員による高齢者虐待が問題になっている中、児童養護施設などでも職員による虐待が頻繁に起きている。厚生労働省が9月25日に開催した社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会(委員長=柏女霊峰・淑徳大総合福祉学部社会福祉学科教授)では、委員から「職員による虐待はどの施設で起きてもおかしくない状況」「待ったなしの状態で危機感を感じている」といった意見が出され、虐待防止策について話し合った。施設の自主努力を尊重すべきとの意見と、法規制など外部による監視機能を強化すべきとの意見とが激しくぶつかった。(新井裕充)
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07年上半期特選NewsC 福祉職低待遇
社会的養護専門委員会は、親の虐待などにより家庭で暮らせない子どもを社会的に養護する制度を見直すため、今年9月7日に設置された。
会議の目的は本来、里親や児童養護施設などの「社会的養護システム」をいかに構築するかにある。しかし、親の虐待などにより家庭で暮らせない子どもたちを養護するはずの施設で、職員による虐待が頻繁に起きているという深刻な矛盾を抱えている。
社会的養護を見直すために厚労省が示している「検討項目」によると、施設内の虐待を防止するための施策として、「第三者機関の設置」「都道府県における監査体制の強化」「国による監査マニュアルの見直し、標準化」「施設内虐待等を発見した場合の職員等の都道府県等への通報義務」――などが挙げられている。
これに対し、委員の間からは内部通報制度や都道府県による監査に反発する意見が相次ぎ、「職員の待遇改善を優先すべき」「施設内で解決すべき」といった意見が多く出された。
確かに、外部規制を強化する制度を受け入れて“業界内部への介入”を認めてしまうと、施設職員の待遇改善は置き去りにされてしまうおそれがある。福祉の現場に携わる委員の多くが言うように、「劣悪な労働条件の改善が急務である」という考えはもっともだ。しかし、待遇を改善すれば虐待を防止できるのだろうか――。
この日の議論を振り返ってみたい。
■ 人材がいない
「人材確保のための仕組みの拡充」という項目で職員確保や育成方法について話し合う中で、各委員から職員の待遇改善を求める声が相次いだ。
吉田恒雄委員(駿河台大法学部教授)は「会話が難しい子どもや年長の子どもが増えている中で辞めていく職員はいないだろうか。民間企業や公務員と比べて、家庭を持てるような給与だろうか。ここが確保されないと人材の確保は難しい」と指摘した。
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09月28日(金)
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