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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■世界の製造業部門が予想外のペースで拡大
短観の中で特に改善が著しいのが新年度の収益見通しである。経常利益は製造業を中心に軒並み前年度比2けたの増加を見込んでいる。問題はこの利益を企業がどう使っていくかだが、気になる傾向がある。リーマン・ショック以降、企業が蓄えている現金や預金が積み上がっているのだ。総額で210兆円規模に膨らんだ。これを消費につながる賃金に還元したり、新たな投資に回したりしなければ、景気はよくならない。ところが企業は、賃上げにも設備投資にも極めて慎重なままである。
確かに設備などの余剰感は残っているだろうが、設備投資といっても既存製品の増産につながるものばかりではあるまい。環境やエネルギー、娯楽・文化関連産業などで、これまでになかった製品や新サービスを生み出す余地は十分あるだろう。成長するための提携先も国内企業に限らない。いつまでもデフレを理由に縮こまっていては韓国や中国などの企業にチャンスを奪われるだけだ。
政界には政府や日銀の追加刺激策を求める声もある。しかし、膨大な借金を抱えた財政に支出を増やす余力は乏しい。企業の資金不足が景気の足かせになっているわけではないのだから、日銀に追加緩和を求めるのもほとんど無意味だ。政策頼みの回復には限界がある。
1日、会社更生手続き中の日本航空が開いた入社式で、稲盛和夫会長はこうあいさつした。「復活の成否は『必ず再生する』という不撓(ふとう)不屈の一心が持てるか否かだ」
企業一社一社の成長が国の経済成長を支える。「必ず成長する」と経営者や社員が強く思うことから、新しい発想や成長戦略は始まる。
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毎日新聞 2010年4月2日 2時31分
04月03日(土)
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