ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 組織ぐるみの年金改ざん疑惑
オンライン上のすべての厚生年金記録から標準報酬月額が不自然に引き下げられるなどした記録を探すコンピューターシステムを開発、該当者に通知して確認してもらうことも決めた。
ただ、こうした対策にも限界がある。まず、過去の給与明細をすべて保管し、通知と照らし合わせて確認できる人は少数派と見られる。さらに、勤め先の事業所で自分の過去の給与を確認しようとしても、倒産している例などが少なくないと見られるからだ。
社会保険労務士の井原誠さんは、「本人にも過去の報酬がわからず、年金記録確認第三者委員会に申し立てても記録の回復が難しい例もあるだろう」と話す。
“本人頼み”の対策ばかりで済ませることは許されない。政府には1件でも多くの改ざん事例を探し出し、被害を回復する責任があるはずだ。
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標準報酬改ざん、社保庁職員関与認める 全受給者に履歴送付
2008年9月9日中日新聞 夕刊
厚生年金の算定基礎となる標準報酬月額(給与水準)の改ざんに社会保険庁職員が関与していたとされる疑惑で、社保庁は9日、これまで疑いが指摘されていた17件のうち1件に職員の関与があったことを認める調査結果を公表した。同日の年金記録問題の関係閣僚会議に報告した。
関与を認めたのは、東京都千代田区の設計コンサルタント会社のケース。1995年、同社経営者が滞納した厚生年金保険料を分割で支払いたいと、麹町社会保険事務所の係長(当時)に申し出たところ、係長は厚生年金から脱退するよう指導。その際、係長は、経営者の過去の標準報酬月額16カ月分を少なく改ざんし、浮いた保険料を滞納分に充てると説明した。
改ざんをめぐっては、保険料の収納率を上げたい社保事務所と、保険料負担を減らせる会社側の利害が一致するため、資金繰りに窮し保険料を滞納した会社を中心に、社保庁側が組織的に指導を行っていたのではないかとの疑念がぬぐえていない。
こうした事態を受け、社保庁は厚生年金の全オンライン記録(約1億5000万件)を対象に、標準報酬の不審な変更の有無を調べ、不審点が見つかった人には注意を促す通知を送る方針。さらに来年、厚生年金の受給者約2000万人全員に、現役時代の標準報酬の履歴を送付する。
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年金の標準報酬改ざんは組織ぐるみ 元職員が証言
2008年8月19日中日新聞 夕刊
厚生年金の算定基礎となる標準報酬月額(給与水準)の改ざん疑惑で、大津社会保険事務所で徴収課長などを務めた元職員、尾崎孝雄さん(55)が19日、民主党の会合に出席し「事務所長や上司から暗に改ざんの指示があり、(都道府県ごとに置かれている)社会保険事務局も容認していた」と証言した。
標準報酬の改ざんをめぐっては、以前から指摘が相次いでいたが、元職員が公開の場で組織ぐるみの関与を証言するのは初めて。社会保険庁は現在、複数のケースについて調査しており、「調査結果で事実関係を明らかにしたい」としている。
標準報酬を改ざんして減額したり、加入期間を短く偽装する不正は、社会保険料の負担が軽くなる会社側と、見掛け上の収納率を上げられる社保事務所の利害が一致。しかし従業員は知らないまま将来の年金受給額が減ることになる。
尾崎さんによると、改ざんは20年ほど前から行われており、保険料を滞納する会社があると、事務所長や上司から「何とか早くしてくれ」と、暗に改ざんを求められたという。社保事務局主催の「収納対策会議」でも改ざんしてでも収納率を上げるよう容認する発言があったという。従業員に知らされないままのケースが7割を占めていた。
尾崎さんは「こうした手法は全国の担当者が集まる研修で口伝えに広まっていったが、各社保事務所には本庁からの出向者もいたので、本庁も知っていたはず」と指摘した。
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09月11日(木)
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