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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 今度は有害米の横流し
だが、これまでの調べで、三笠フーズは二重帳簿の作成や出荷記録の偽造・廃棄を行っていたことも明らかになっている。会社ぐるみの極めて悪質な不正行為と言わざるを得ない。消費者の不安解消のためにも、転売先の追跡調査には万全を期してほしい。
農水省は食品衛生法違反罪で同社を刑事告発する方針という。当然のことではあるが、他の事業者には問題がないのかどうか。売却後の事故米穀の転売については対象を三笠フーズ以外にも広げ、さらに徹底した調査をすることが求められよう。
同時に、事故米穀の売却体制そのものも再検討すべきだ。農水省は販売計画書や売上伝票などでチェックはしていたというが、不正を見抜けなかったのも事実だ。計画的不正にも対処できる新たな事後監視体制も考えたい。
食品の産地偽装など食の安全に対する国民の不信感は危険水域まで達している。消費者行政の抜本改革が急がれる。
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殺虫剤検出の事故米350トン、全量食用に転用 三笠フーズ
2008年9月8日 日経
米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)がカビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」を食用に転売していた問題で、殺虫剤「メタミドホス」が検出された出荷済みの事故米約350トン全量を食用に転売していたことが7日、農林水産省の調べで分かった。同社は記録上、工業用のり向けとして出荷。同省はこのうち約50トンを食品加工会社の倉庫で発見した。
事故米は工業用にしか使えず、食用に転用すると食品衛生法に抵触する可能性がある。農水省は、三笠フーズが2003―08年度に同省から購入した事故米1800トンのほぼ全量を食用に回そうとした疑いがあるとみている。(07:00)
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汚染米転売 流通経路を総点検せよ
2008年9月7日付・読売社説)
消費者の食品への不信が高まる中で、さらに追い打ちをかけるような不祥事である。
大阪市のコメ卸売加工業者「三笠フーズ」が、有害な農薬やカビが残留している工業用米を食用と偽って転売していたことが明るみに出た。
農薬は、中国製冷凍ギョーザ事件でも問題になった有機リン系の「メタミドホス」だ。少なくとも約300トンの汚染米が焼酎などに加工され、すでに流通している可能性が高いという。
食の安全への信頼を裏切る行為だ。農林水産省は、健康被害の有無にかかわらず、どこに、どれだけ転売されたのか早急に解明し、回収を急がねばならない。
汚染米は、世界貿易機関(WTO)協定に基づき、国が中国やベトナムから輸入したコメの一部だ。基準を超える農薬が検出されたり、カビが生えたりしたため、のりなどの工業用に使うという条件で農水省が民間に売却した。
三笠フーズはこのコメを2003年度から計1779トン仕入れ、一部を焼酎メーカーや米菓メーカーなどに転売したという。
1キロ十数円で仕入れ、5倍前後の価格で売っていた。相当な暴利を得ていたことになる。
農水省には偽造伝票を示し、二重帳簿を作って販売先を隠していた。社長は「私が指示した」と認めている。組織ぐるみの悪質な不正が長年にわたって続けられてきた可能性が高い。
「転売前に洗浄、検査したので食用にしても問題ない」という会社の説明にもあきれる。
農水省は同社を食品衛生法違反容疑で告発する方針だ。捜査当局による解明も期待したい。
農水省は偽造伝票を鵜呑(うの)みにして販売先の調査を怠った。チェック体制の甘さを猛省すべきだ。不正を見過ごした間に汚染米はさらに転売され、大半は行方が分からなくなってしまった。
不正を把握してからの対応にも問題がある。最初に匿名の通報があった先月22日から半月近くも事実を公表しなかった。
実際に汚染米が転売された焼酎メーカーなども、いまだに公表していない。これでは風評被害が広がるばかりではないか。
三笠フーズ以外にも16業者に汚染米が販売されている。これらの業者についても、転売先や最終用途などについて早急に調べる必要がある。
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09月08日(月)
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